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「てめえら 伏せろ!!」
突然 ヒモ女の叫び声が聞こえたかと思えば、凄まじい風が吹き荒れた。
「木が…一瞬にして チリに…」
「マジかヨ…」
さっきの風で、植えられていた たくさんの木が一瞬でチリになった…
人見の方を見れば、その後ろには 奈々チャンが立っていて、人見を睨みつけている。
『あなた…許さないわよ』
「これは、君の仕業かな?」
『桜ちゃんに 乱暴なマネをするなんて、絶対に許せない…』
その目には、殺意がこもっていて、奈々チャンの怒りに比例して どんどんと風は、威力を増している。
相手は 元¨コード:01¨だ、いくら奈々チャンが強くても、敵うわけがない。今すぐにでも止めに行きたいが、この禍々しい殺意を前に オレの足は、全く動けない…
「君のような異能者には、初めて会うよ。…何者だい?君は…」
『そんなこと…どうだっていいでしょ。あなたを許せない…ただそれだけ…殺す』
奈々チャンは、一度目を閉じる。すると、さっきまでの風は 何だったのか…と思うほど ピタリと風が止まった。
『夢と絶望とは、表裏一体なモノよ…あなたの、最も欲する望みは…なぁに?』
その言葉に聞き覚えがある。
あの日、田畑邸で出会った 小さな女の子が言っていた言葉だ。
「バカ奈々…やめろ」
あの日のことを思い出していると、いつの間に 奈々チャンの背後に回ったのか、ヒモ女が 奈々チャンの目を両手で塞いだ。
『邪魔…しないで』
「あいつらが見てる。今は、使うな」
「はははっ…これは、おもしろい
私の望みか…それは、藤原総理の死 それだけだ」
人見は、街頭に手を当て 異能を使い爆発させる
「君達に私が止められるかな?もし止められたら¨コード:ブレイカー¨をなぜやめたか 教えてあげよう。…止められなきゃ、次こそ 藤原総理は死んじゃうけどね」
「逃がすかよ!!」
人見を追うが、人混みに紛れてしまい 姿を見失った…
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