4
「わざわざ変装までして…一体何を話してたんだ…!?」
「お…大神君カタブツだから、もう少し 親しみのあるキャラにしてやろうと思って…」
あのネェ…痛いヨ!顔が!!
オレのイケメンフェイスが台無しだロ!!
「…いかんな、自分の学校を疎かにしては…ごキョーダイの寧々音先輩に一言 言って頂かなくては。今呼んで…」
「まった!!」
呼んで来るという桜チャンの腕を掴んで止める。
「と…刻君!?」
「無事に…学校来てるんだろ?それがわかれば別に会う必要なんて…」
ないカラ…そう言おうとしたが、背後から聞き覚えのある声がして、続きの言葉は言い出せなかった。
「大神君!!大神君!!磁石のくっつく人間いたよ!!」
「寧々音先輩!!ちょうど良かった、ごキョーダイとして 刻君に一言…」
「え?」
面と向かって この顔を見るのは、いつ以来だろうか。驚いてこっちを見ている この人から、次に発せられる言葉は 予想ができる。それでも…と少しだけ期待してしまうのは、オレの弱さだろうか…。
「あなたは だぁれ?」
「………え?」
やっぱり 予想通りの言葉で、期待した自分の愚かさに 笑ってしまいそうだ。
「オレは、磁石超人マグネス!!」
「おおー!!」
「くらえ磁石光線!!」
「おおー!!」
久しぶりに会えた、笑顔を見れた。だから…これでいい。これでよかったんだと、ひたすら自分に言い聞かせた。
.
[ 66/82 ]