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『ただいまレイちゃん』

「おそ〜い、腹減った」


学校から帰って来たら、家に居ると思っていた奈々はいないし、腹減ったし どうしたもんかと思っていたら、しばらくして やっと奈々が 帰って来た。

あぁ…やっと飯にありつける…


『今から作るから、もう少し待ってね?』

「お…おう」


いつもの奈々と違って、あの堅苦しい話方をしていない。


「珍しいな、奈々がふつーに話すなんて」

『今はレイちゃんと二人だからね、誰かに聞かれることもないし』


あたしと二人きりの時だけ、奈々は 普通になる

そのことに軽く優越感を感じる。

奈々は、あたしのモノだと 狂った感情が芽生えてしまうのは、唯一 気の許せる家族だからだろう。

暁家の人たちも あたしを家族だと言ってくれるけど、やはり遠慮してしまって我儘は言えなかった。

そんな あたしの心情を察して、奈々は 思う存分に 甘やかせてくれる。そんな奈々に あたしは 助けられたし、これ以上ないくらいに依存している。

だからこそ、奈々が他人と関わるのは いい気分はしないし、¨コード:ブレイカー¨となんてもってのほかだ。

でも、縛り付けたくはなくて 言えないでいる

だから、せてめ ¨普通の奈々¨でいられるのは、あたしの前だけであって欲しい。


『はい、今日は レイちゃんの大好きな ハヤシライスだよー』

「お!マジで?やり〜」


奈々は、知らないだろうけど あたしがハヤシライスが好きなのは、両親を亡くして 絶望していたあたしに、奈々が作ってくれた 初めてのご飯だから

まだ10にもらならない幼い奈々が、あたしの為に やったことのない料理なんかをしてくれた。

今でも あの味は忘れられない
あれは、あたしが奈々に助けられた日だから。


『レイちゃんは、黙って 私の側にいればいいのよ?もう、変な気をつかったりせずに 思いっきり頼ること。わかった?』

「はーい」


例え 成瀬の前でも 絶対に奈々は、¨暁奈々¨を崩さない。

あたしと二人の時だけ、¨普通の奈々¨なのだから。

普段は、あたしに ツンとしているけど 二人になれば 違う


あたしの この独占欲は、そろそろ狂い始めているのかもしれない。










依存


レイちゃんの異常なまでの執着心、その異常さに気づいていても、私は 彼女を護る。この子には、私しかいないのだから。







→あとがき



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