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奈々チャンの作る料理は、予想外に家庭的なモノで、そして…めちゃくちゃ美味かった!
「あら、何コレ」
『ブランド家具のカタログですわ』
「模様替え?」
『いいえ、レイちゃんのお部屋をどうしようかと思いまして…』
あの女、そういえば ココに住むんだっけナ…堂々とヒモ宣言してたしナァ
『どうしようかと悩んでいましたが、既にレイちゃんは 決めているみたいなので、早速注文しましたわ』
「へぇ〜、で あの女は?」
『レイちゃんって、意外と真面目みたいです。今日も学校に行っているみたいで…』
…マジ?
あいつ、明らかにガラ悪そうなのに…
『私は、桜ちゃんの家に行かなくては…』
「なんで?」
『制服を置いて来ているんです』
そういえば、キャビンアテンダントで帰って来てたっけナ、あんまりにも 違和感がなさすぎたケド
「ちょうど良かった、オレも ロストが終わったら 行く予定」
『もうすぐ終わりますの?』
「まぁね」
そうですか…と寂しそうな顔をしている奈々チャン…
そんなに、オレのロストが好きなんだナ…ロストだけってのに不満タラタラだケドね。
『私、頑張って話し方の練習しますから、またロストしたら…泊りに来てね?』
おいっ!!どこで そんな おねだりのしかたを習ったワケ?!
オレを抱きかかえ ウルウルとした目で下から見上げてくる奈々チャン…
バクバクいいまくっている、この心臓の音を気づかれませんように…
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