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『まず、私が 洗ってさしあげますわ』
無駄に広い風呂場には、奈々チャンとオレの二人…
これ、ロストしてなかったら…
『かゆいところは、ありませんかー?』
「ん〜、ダイジョーブ」
『では、流しますね?目を閉じていてください』
クソ女の言いつけで、お互いにタオルを巻いてはいるが…このタオルの一枚向こうには…楽園が…
びくっ…!!
殺気を感じて、恐る恐る 振り返って見れば、磨りガラス越しに クソ女の 恐ろしい顔が見えた…
『洗い終わりましたわ、次は 私の髪を洗っていただけますか?』
可愛くちょこんと 首を傾けて聞く奈々チャンに、ニヤける
しかし、ガラスの向こうには 般若…
楽しいはずのお風呂タイムは、恐怖で楽しさが半減した…。
『願いが叶って、とっても嬉しいですわ!!』
ま、でも こんなに幸せそうな表情が見れたから、良しとしよう。
『寝るときは、一緒に寝ましょうね?』
あぁ…誰か、この子を止めてください…
そして、ガラス越しの般若を どうにかしてください…
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