2
『藤原先輩は¨磁力¨でしたわよね?』
¨藤原先輩¨そう呼ばれると 物足りなさを感じる。
大体にして、桜チャンは 会ってすぐから名前だったのに、何でオレって こんなに他人行儀なワケ?
別段気にするコトじゃないケド 何故か気になって仕方なかった。
「さっきは、刻とか言ってたクセに」
言うつもりはなかったケド、思わず口をついて出てしまった。
『そうですわね、先ほどは 兄弟の設定でしたので…名前をお呼びさせて頂きましたけど、いきなり申し訳ありませんでした』
「何で謝んの?オレ的には さっきみたいに呼んでくれた方がイイんだケド?」
『あら、そうでしたの?』
そのように お呼びしてもいいのでしょうか?と遠慮がちに言う奈々チャンに、イイに決まってんジャン!!と必死に言うオレ…
何でこんなに必死になってんノ…?
自分で自分に驚いてしまう。
『では、名前をお呼びしますので
その代わりに 私のお願いを 聞いていただけますか?』
「ナニ〜?」
『一緒に お風呂に入って いただけますか?』
「「ブッ!!ゴホッ…ケホッ ケホッ」」
『あら?どうしましたの?』
風呂…?風呂って言ったよネ?!
思わずオレと横の女は、コーヒーを吹き出してしまった…。
「な…なに言ってんの?!あんた!」
『だって…ずっと夢でしたの…
兄弟ができたら、一緒にお風呂に入って 頭を洗い合うというのが…』
「だからって、こいつとじゃなくても いいじゃん!」
『今のと…刻くんは、とっても 可愛らしいですもの。ダメ…ですか?』
いやいや、願ったり叶ったりですケド…
え…?イイの…?
.
[ 51/82 ]