2
走り回って…いや、オレは何故か抱っこされてんだケド…やっと桜チャンを見つけた時、桜チャンは 春人に飛び付き、大神の炎を消し去っていた。
『素晴らしいですわ!珍種とは、本当に異能が効かないのですね!』
「珍種のコトも知ってんノ?!」
『全て 平家に聞いていますわ、あなた方¨コード:ブレイカー¨のことも』
「だから平家と…」
平家と奈々チャンが知り合いなのは、奈々チャンが異能者だからなのかと、一人納得した。
「生きろ…お前が何者であっても、生き抜くべきだ。たとえどんなに苦しくても」
「な…オ…オレは、お前を殺そうとしたのだぞ!?なのにどうして…」
「理由は知らん、だが そこまでして生き延びてきたお前が、命の尊さをわからんワケではないだろう。もう殺しはやめるんだ」
春人が言うように、殺そうした相手に そんなコトを言う桜チャンに、心底驚いた。
『やはり私、桜ちゃんが大好きですわ』
「悪くねーな」
『あら?レイちゃんと同じ意見だなんて、珍しいことも有るものですね』
「うっせー」
お互いに顔を見合わせて クスリと笑った二人。
何コレ…オレ、蚊帳の外…?
そう思うと、少しだけ チクッとしたのを無視して、桜チャン達を見た。
大神は春人を殺そうとしていて、桜チャンが春人を護っている。
するとそこに、ヘンタイが割って入った。
.
[ 45/82 ]