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敵がまだやって来る可能性は高い
その為、オレ達は 桜チャンの家に泊まることになった。
「それにしても、まだ大神の力が戻る気配はないね〜〜〜
でも 心配いらないヨ、オレは大神みたく力をロストするようなヘマは絶対にしないから」
「刻君も力をロストすると、体温が下がるのか?」
「だ…だから、ロストしないってば!!」
「それよりも、あの三人はどこへ?」
そういえば、奈々チャン達 いねぇな。やっと帰ったか…?
「先ほど 母上が奈々ちゃんの手を引いて、連れて行ってしまったのだ…おそらく、二人もそれに ついて行ったのだろう」
やけに奈々チャンを気に入っているユキちゃん。
いや、わかるよ?奈々チャン可愛いし、コスプレさせたい気持ち わかるよ?無駄に似合ってっからネ…
にしても、連れて行って何やってんだかネ
ま、このまま戻って来ない方が楽だケド
『桜ちゃんのお部屋、とっても可愛らしいですわ』
「うわっ!!いつのまに?!
…ってか…その格好…」
『ユキさんが、キャビンアテンダントさん風に髪を結ってくださいました。ついでに帽子もお借りしてみたのですが、どうですか?』
ふつーにカワイイ
うん、ちょーカワイイと思うよ。
そりゃあもう、お持ち帰りアリですか?と聞きたいレベルでカワイイヨ!!だけど…
「なんで、奈々チャンそんなにノリノリなワケ?」
『ユキさんのご厚意を、ありがたく受け取ったまでですわ』
「頼まれたら断れないタイプなんだよ、コイツ…とくに可愛いタイプの奴には」
『子供や可愛らしい女性のお願いは、どうしても断れません…』
子供…?子供好きなのか…?
いや、でも目の前でロストするワケにはいかねーシ…
ってかさぁ…
「そこの執事の人、大丈夫?なんかすっげー顔がぐちゃぐちゃだケド…」
涙と鼻血でぐちゃぐちゃになっている顔…確か結構イケメンだったような…
ま、オレには敵わねえケド?
「誰だてめえ!?」
突然、何やら玄関の方が騒がしくなった。
本格的に敵が攻めて来たんだろう…
「僕達が見て来ますから、ここで待っててください」
「奈々チャンもここで待って……って!いねぇし!!」
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