4
突然 部屋に入って来た女は
勝手に入って来ておいて、オレ達に ものすごいガンを飛ばしてきた。
「今お取り込み中、立ち入り禁止ダヨ」
「だろうな。心配しなくても、出て行くっつーの」
そう言って女は、ドアを開けて 外に出ようとした。
『…レイちゃん』
ドアを開けた瞬間、なんだか聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「奈々チャン…？！」
おそらく、そこの女を探してココに来たのだろう。少し息を切らして ドアの前に立っていたのは、最近オレが興味津々な子、奈々チャンだった。
相当 怒っているのだろうか、奈々チャンは オレの存在に気づかず、眉間にシワを寄せ さっき 入って来た女を睨みつけていた。
そりゃあもう、恐ろしいくらいの目付きで…
初めてオレが、話しかけた時に見せた表情によく似ている。
.
[ 27/82 ]