5




「…お前、いいかげんにしろ…
いくら娘さんのためだからといって、あんなヒドイこと…お前に…
ゆうた君のお父さんの気持ちがわかるか?!自分の幸せしか考えないお前なんか、あの人達と同じ目にあえばいい…!!許せない!!お前なんか!!」

「ヒイィエェ!!」


珍種を求めて三千里…ではなく、珍種を求めて屋敷内を探し回っていたら、なんとも不思議な光景を目にした。

怒りに満ちた目をしていた珍種と思われる少女が、田畑に抱きついたのだから…


「…でも、こんな…こんなサイテーな奴でも、生きてるんだ…冷血だけど 冷たくないぞ…こいつ…すごく あったかいんだぞっ!お前と同じだぞ 大神ィ…!!」


珍種の少女…なんていい子なんだろうか。あぁ、不覚にも お姉さん泣きそうです。年齢は同じだけどね。


「どんな理由があったって、やっぱり殺しちゃダメなんだ…こんなの理屈じゃないんだよ…!!」

「…そうだな、そうだよな……どんな理由があっても殺しちゃいけなかったんだ……娘を頼みます」

「え…?」

「どけえ!!ハハハ!!
でたな¨火のタマン¨!!この¨アクマジン¨が相手だぞ!!」

「た…田畑!?」

「たくさんの人を苦しめ殺したぞ!!悪いか!?オレの邪魔をするな!!」

「パパ!?何して…」

「…ちさ、ごめんな…パパは…自分の為に人を殺して¨アクマジン¨になってしまったんだ…¨火のタマン¨のお兄ちゃんは、パパを退治しに来たんだよ…」


なんという茶番だろうか。
でも、悪くない。珍種の少女が 彼を人間へと戻したのだ。

私は、その光景に拍手を送った。


「だ…誰なのだ…?!」


私の行動に、珍種の少女を含めた 全員がこっちを見た。







.

[ 19/82 ]


back
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -