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私達は、今 田畑 茂の家の前にいる。

オレも同行します!と必死に言う成瀬は、無理矢理 自宅待機させた。


『何で 私は、この姿なの?』

「それが一番似合ってんだって、奈々は」


そう言う男…いや、本来は女なのだけど…今は、彼女の持つ異能¨生態¨により、誰が見たって声を揃えてイケメンだと言うほどの美貌になっているのは春日レイである。

¨生態¨という異能は、老若男女 様々な姿に自分や触れた相手を変えることができる異能。

それ故、彼女は イケメン男子になっているわけだが…

私は、レイちゃん曰く¨ヨチヨチモード¨と呼ばれている、所謂 子供の姿に変えられてしまった…

歩幅が小さくて、歩きにくいと言えば
軽々しく 肩車をしてくれたのだが…


『痛いわね!!』

「あ…悪りぃ」


男の姿になり、170cm後半くらいの身長のレイちゃんに肩車されたおかげで、門の柱に 思いっきり おでこをぶつけてしまった…。


『私もイケメン男子の姿がよかったわ…』

「¨ヨチヨチモード¨の奈々は、最高に可愛いって評判だぜ?」

『ロストの姿と変わらないわ』

「あぁ、まぁ確かに」

『新鮮味が足りないのよ』

「じゃあ、次は¨ジジババモード¨にしてやるよ」

『……遠慮するわ』


¨ジジババモード¨…腰の曲がった老人の姿になってしまう。

その姿になって得をすることなんて
精々、公共交通機関で席を譲ってもらえることくらいじゃない?


『ま、この姿なのは考えないことにしましょう。早く珍種に会いたいわ』


今日ここに来た本来の目的は、それなのだから 早くお目にかかりたい。


「あたしは、毎日会ってんだけどね…」







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