『フレッド?』
やってらんねー!とジョージを置き去りにして 寮に戻ろうとしていた時だった。
俺の名前を呼びながら近づいて来たのは、俺の悩みの元凶の元凶であるナナだ。
辺りを見回してもジョージの姿は見当たらない。ま、どうせナナに必死でフィルチに気付かず捕まったなんてところだろう。
『フレッドすっごい難しい顔してるけど、何かあったの?』
「大丈夫、たいしたことじゃないさ」
『そう?ならよかった、フレッドが元気ないとね、私も元気なくなっちゃうの、いつも楽しそうに悪戯してるフレッドが大好きだもん!!』
「え…?//////」
何だよコレ…
大好きだと言ってニコリと笑ったナナの周りに、沢山の花が咲いて見える…
この前、大好きだと言われた時とは全く違う感じだ。前とは違う立った状態だからか、自然と上目遣いになるナナも、照れているのか ほんのりと赤い顔をしたナナも、この前とは違うんだ。俺にだけ向けられたその言葉も。
身体が痺れて動かない…
息をするのも辛いくらいに心臓がキュッと締め付けられて苦しい…
終いには、全身の体温がいっきに上昇した…
『おーい、フレッド?ぼーっとしてるけど大丈夫?』
「……天使だ」
『へ…?て、天使?って、ちょっと!フレッド?!』
俺は、一目散に寮をめがけて走り出した。
相棒…さっきは散々愚痴って悪かったな。
あぁ…俺たちは やっぱり双子みたいだ。
.