「1分って案外長いんだな…」
相棒は、机にぐでーっと突っ伏している。
俺は、そわそわと落ち着かない。悪戯をされるのに慣れていないからか、それともナナからの悪戯だからなのか…。
「15…14…」
堪らずカウントを始めた相棒に、俺も便乗した。
「3…2…1…0」
1分経ったが何も起こらない。失敗か?と思いフレッドの顔を見れば…
「「ぷっ…ぎゃはははははっ!!」」
「おいおいフレッド!顔面にデカデカと靴底の形が…ぷっ!!」
「ジョージなんて何だよそれ…ぷ!!
今なら、俺たちを間違える奴はいないな…ぷ!」
フレッドがやたらと笑っている…
え?なになに?ナナったら俺に何しちゃったわけ?!
「あの2人にやられたわね」
そう言って手鏡を渡してくれたのは、唯一真面目に授業を受けていた アリアだった。
ありがたく手鏡を頂戴して、顔を見れば…
¨我こそがみんなのジョージ・ウィーズリー¨
と顔面いっぱいに書かれていた…
恥ずかしいとかそんなことは思わなかった、ただ 一つ言わせてもらおう。
「皆のだって?!違うな!!俺は
ナナのジョージ・ウィーズリーだ!!」
静まり返る教室には、相棒のため息とアリアの「ついに頭沸いたか…?」というなんとも酷い暴言が響いた。
理想は君だけの僕「にしても、我が妹ながらに関心のできね…。身体が戻ると同時にスタンプした手形や足型なんかのサイズも大きくなるだなんて」
「あぁ、感心するよ。サイズが大きくなるのと比例して、俺の気持ちも大膨張さ」
「…ジョージ……あなた、うちの変態蛆虫兄貴に何だか近づいてるわよ…」
「………それだけはやめてくれ…」
→あとがき