「『ぐっ!!…くっ…身体が…』」
アレとやらを試すためなのか、小さなカプセルを口にした2人は、突然 心臓のあたりを掴み、苦しみ始めた。
「「お…おい、大丈夫かよ?!」」
俺たちの心配の声に、苦しそうな顔をしながら 2人は親指を上に向けて立てた。
そして、1分ほど経ったころに ぼふんっ!と音がしたかと思うと、2人の姿は無くなっていた。
「ナナ…?ユーリ…?」
「どうなってんだ?ジョージ…」
キョロキョロと辺りを見渡しても、寝ている生徒と延々話し続ける教師のみが目に入る。
つーか、こんだけ俺たちが騒いでも誰も起きないわけ?その前にあいつ教師としてどうなんだよ…どーでもいいけど。
『コロコロスタンプ!!』
「ぎゃっははははっ!!ナナ、バッカじゃねーの?!」
え?今確かに声がしたよな…?
すこーし下の方から…?
なんとなく、恐る恐る下に目を向ける俺たち…。
「「えっ?!」」
目を疑った…
何故なら、机の上には 親指サイズのナナとユーリがいて、しかも全身 羽ペンのインク塗れで、しかもナナに至っては そのインク塗れの身体で 俺のノートの上をコロコロと転がっていたのだ…。
「昨日完成したんだー!!」
『身体が1/15サイズになっちゃう、摩訶不思議な薬なんだよ!!』
「『まぁ、仕掛けはそれだけじゃないけどね』」
えっへん!とも言いたげな2人だが、素直に凄いと思った。これはこれは、やはりアリアから聞いてた通り 彼女たちは悪戯の天才なのかもしれない。
「へぇ〜、すげぇな」
「あたし達を舐めたらいけませんよ?フレッド・ウィーズリーくん」
「ま、どうせ ナナが殆ど作ったんだろ?」
「ちっ!ち…ちちちちちちがうし!!あたしも作った!!つか、触んな!!」
「いてぇっ!!」
ユーリの蹴りは見事にフレッドの鼻を直撃…御愁傷様。あっ、くっきり 靴型にインクが付いてるぜ…
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