「「さぁて、当ててみな!!」」
あたし達1年生が入学してから 一週間がたった。
そして、一週間のうちに何故か毎朝の日課化したことが、フレッドとジョージを見分ける訓練だった…
あたしと違って朝が苦手なナナを待つ間の時間が暇だからと なんとなく始めたゲームのようなものだった。だが、毎回間違えてしまうあたしとしては、そろそろ当てたいし見分けれるようにもなりたい…
「…右がフレッドで左がジョージ?」
「「本当にそれでいいのか?」」
いいのか?って何?変えろってこと?
「変えるなら今だぞ!」なんて言いながらクツクツと笑っている目の前の双子は 本当にムカつきます…。
「「正解は…っ」」
『右がジョージで左がフレッドだよ』
あらあら、ナナったら 今日は早起きじゃん!!
「「ナナっ!!」」
お前らは犬か?ナナのペットか?!と言いたくなるようなスピードでナナの両側をキープする双子…あぁ、尻尾が見える。
「さすがだな!ナナはユーリと違って一度も間違えたことがない」
「やはり、初めに俺が言った言葉をちゃんと理解してたからじゃないのか?」
初めに言った言葉…?
フレッドとナナの初会話なんて覚えてねぇよっ!!
ふとジョージの顔を見れば、とてもショックをうけたような、絶望的な顔をしていた。
「ナナ…っ!!まさか、本当にイケてるほうがフレッドで冴えないのがジョージって覚えてるんじゃ…」
ナナの両肩を掴み ガクガク揺らしているジョージの顔は、本当に この世の終わり。そんな表情で、失礼ながら 腹を抱えて笑いたい気分だった。
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