1



目の前の少年を馬鹿と言わずしてなんと言おうか。


黒の教団本部、それは 高い崖の上にある。本部に辿りつくにあたって、地下から行くのが普通だ。だが、目の前少年は 必死に崖を登っている。


白髪のモヤシみたいなクソガキ

クロスが言っていたこと全てに当てはまる少年、間違いなくこいつが馬鹿弟子とやらだと思う。


『にしても…頑張るねぇ』


もう教団まで数メートルという高さまで登っている少年、見かけによらず なかなか丈夫そうだ。


「ん?…今、声が聞こえたような…」


イノセンスを使い、姿を消し そして 宙に浮いている私、彼には私の姿は見えていないけど、声は聞こえる。

別に ここでバラしたっていいし、飛んで上まで連れて行ってやっても かまわないけど、見てるのが思いの外楽しい為 放っている。


ほら、後少しだよ少年!頑張りたまえ!!





.



Prev|next



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -