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『いったぁっ!!』
部屋に入った途端、ベッドに投げ捨てるなんて 女にやる行動じゃないよね?ユウ酷すぎる!!
「今までどこに居やがった」
『まぁ、いろいろ……ちょっ!ごめんなさいって!話すから!!話すから、六幻しまって!』
私に跨って六幻を喉元に突きつけていたが、なんとか 六幻だけは しまってくれた。
ったく、どんな悪役だよ!こいつ!!
「で?」
『いやぁ…実は、イタリアの任務中に助けた人がイタリア一の大富豪で、何故か一目惚れされまして、屋敷に招待されたんだけど、もうちょー居心地よくってさぁ、んで 金は好きに使っていいから ここに住まないか?とか言われちゃってー、こんなオイシイ話ってなかなかないし、お言葉に甘えて……六幻しまえぇっ!!』
「テメェ…こっちが どんだけ心配したと思ってんだ!!」
『ヤ…ヤダなぁユウくん…そんなに怒らなくても…』
「あ゛ぁ゛っ?!」
『いえ…私が悪うございたした…』
「…余計な心配かけんな」
私の上から退いたユウは、壁に寄りかかり 片手で顔を覆っている。
『ユウが他人の心配するなんて、珍しいね?』
「…うるせぇ」
『ありがとう、心配してくれて』
「……//////」
両手でユウの手を包み込み、顔を見て言えば
ほんのりと頬を赤く染めた。
少しは機嫌よくなったかな…?
「寝る」
『じゃあ私は、コムイのとこに……何この手は』
私の腕を掴んで黙り込んでいる…いや、なんかまだ 他に言いたいことあるの?
「…寝る」
『うん、おやすみ』
「…………。」
『うわっ!!ちょ…何?!』
「…………。」
人をベッドに引きずり込んでおいて だんまりって何?!
「黙ってお前も寝ろ」
『ふっ…案外可愛いとこあるんだね?』
「うるせぇっ!!」
コムイへの挨拶は明日でいっか…
少年のお守りも明日からかな?
ただいま
今日は、ユウのお守りだね?
→あとがき