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私の家に来るとしつこい博臣先輩を、なんとか振り払って帰宅した。
全く、あの人って顔はイケてるのだから、あの性格を直せばモテそうなものだけど…
『直るわけないか…』
ピロピロとさっきから鳴り続ける私の携帯、メールの差出人の大半は聖凪である。
とりあえず、もう帰った。とだけ伝えておいた。
そして、もう一人 やたらと私の携帯のバッテリーを食う人物…
名瀬博臣…
メールの返事はせず、すべて無視し続けているのに ひたすら送ってくる。
ストーカーの域だよね…これって。
¨明日も迎えに行くからな¨
迎えじゃなくて、拉致でしょ…
¨明日は、街にデートでも行くか?¨
いやいや、デートって…バカですか?
¨そうだな、ペアリングでも買っておくか¨
いりません。貴方なら監視カメラとか装着しかねないし…
¨奈々、今日も愛してる¨
………………………。
『バカなのかしら?この人…』
まだ聖凪の帰宅前でよかった。
きっと、今の私は とても赤い顔をしているのだろうから。
*彼女と俺*
「奈々様!さっき校内に妖夢が…」
『あら?誰かが斃したの?』
「えぇ、まぁ」
『栗山さんは、相変わらず神原先輩を?』
「しつこいっすよね、あの女も」
神原先輩も気の毒ね。なんて、帰宅してきた聖凪と話ながら、密かに思った。
→あとがき
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