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私の脇を抱えて拉致した、もう一人の人物 名瀬博臣は、何故だか 私と美月先輩を交互に眺めては、ニヤニヤと笑っている。
『なんですか?』
「可愛い妹と、可愛い彼女が 目の前に…これは、いい眺めだ」
『私…彼女になった覚え ないんですけど』
「いや、そこは気にするな」
気にするに決まってんだろ!!
と叫んでやりたかったが、やめた。
無駄な体力を使ってしまいそうだから。
「兄貴、キモイ」
「美月、お兄ちゃんと呼べと言っているだろ」
あぁー、喉渇いたな…なんて思いながら 二人の話を聞いていた。
あ、いいこと思いついた。
私は、ツンツンと博臣先輩をツツいて、こちらを向かせる。
「どうした?」
『ねぇ…¨お兄ちゃん¨喉渇いたなぁ〜』
ずっと前に、聖凪に賭けで負けて
可愛いポーズとやらで、写真を撮らされた あの時のポーズを思い出しながら、とりあえず 口元に人差し指を持って行き、上目遣いで 博臣先輩に言ってみた。
「はっ!!///奈々…さすが、俺の彼女だ…待っていろ!すぐに買って来る!!」
どうやら、効果は抜群らしい
博臣先輩は、ダッシュで飲み物を買いに行った。
…彼女と言うのを否定する時間を与えて欲しかった。
なんだか、小腹も空いてきたな…
『神原先輩、メガネかけてみたいです』
「えっ?!本当に?!」
じゃあこれを…とピンクの淵のメガネを渡された。
『神原先輩…お腹空きました…』
さっきと同じポーズで、メガネをかけて言ってみた。
「待ってて!!今すぐ何か買って来るから!!」
そう言うと、神原先輩も走って何処かに行った。
『…ちょろいわ』
「あなた…なかなか強者ね」
『買いに行くのが面倒だから、やってみたんですけど、案外 うまくいくモノですね?』
「そうね」
美月先輩は、なんだか怪しく笑っていた…。
「(彼女がいれば、私の被害は 軽減されそうね)」
美月先輩が、そんなことを思っていたなんて、私は 知る由もない…
*妹とメガネ*
「どれが好きか わからないから、とりあえず全部買ってきたぞ!!」
『こんな量のジュースどうするんですか…?』
「たくさんお菓子買ってきたよ!ついでに、新作のメガネも!!早速かけて!暁さん!!」
『嫌です』
→おまけ
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