逢えない二人の出会い
『あ…あの……貴方って大神零さん…ですか?』
「えっ…何でオレの事を……貴女はみょうじなまえさんですよね?」
『っ!?………そうです。』
「オレ達お互いを知ってるみたいですね。…少し話しませんか?」
『そうですね…此処じゃなんなので、何処かのお店にでも行きましょう』
私ははぐれてしまった友達に帰るとのメールを入れた
そして大神零さんと歩いてお店へと向かった
「それで、僕達の事なんですが…貴女は僕の愛読していた漫画の主人公なんですよ」
そう言って大神零さんは1冊の漫画を鞄から出し、私に差し出してきた
私は本を手に取り中身を読んでみると…
『私…だ……』
驚きのあまりに何と言っていいかわからない
『あ、そうだ。私も…』
私もCODE:BREAKERの漫画を取り出し、大神零さんに渡した
彼も私と同様に漫画をみて言葉を失ってしまった
「…2つの世界が繋がりましたか…」
『もしかして…今日変な事ありませんでしたか?』
「変な事?……そういえば、青とピンクのような雲が発生しましたね」
『っ!やっぱりそれが…それが私達の世界を繋いだ原因かもしれません』
「あの雲が…でも、繋がってしまったものは仕方ありません。これからお互い協力して行きましょう。オレ達は互いの世界では有名人ですからね」
『私が思うに、今はCODE:BREAKERの時間で流れています。起こっている事が全て物語通りなんです』
「オレの世界の方ですか…」
『とりあえず、これからどうなるかわからないので連絡先交換しておきませんか?』
私は携帯を取り出し、大神零さんに見せながら言った
「そうですね」
私達は連絡先を交換して今日のところは帰る事にした
店を出ると先に出ていた大神零さんが待っていた
「それではまた後日に」
大神零さんが私に背中を向け歩き出した
『大神零さん!』
私は伝えたい事があった
「零で良いですよ」
にこりと笑い、此方を振り返る
その笑顔は何とも優しく、心臓が高鳴った
『はい…私、零にずっと会いたかったんです。…会えて良かった』
「オレもなまえにはずっと会いたかった。…本当に会えて良かったと思う」
凄く嬉しかった
零は帰って行った
私は生まれて初めてこの気持ちを味わった
『人を好きになるってこういう事なんだ』
私は高鳴る鼓動を心地良く感じながら自分の家へ向かった
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