嘘って言って
『……ふぁ……お母さんおはよう…』
「あらなまえ、早いのね」
いつも通りの笑顔
……少し安心した
昨日から胸騒ぎがしてならない
何かありそうで…
「あっそうそう、お母さん今日遅くなりそうなの。これ、母のなまえちゃん特製のカレー♪作っておいたから食べてね!」
『わぁ…美味しそう!ありがとう、お母さん!…でも自分のことちゃん付けって…』
「まぁまぁ、それは気にしないの!……はい、お弁当」
『ありがとう。着替えてくるね』
「この公式は……」
あのあと普通にお母さんと朝ごはん食べて、普通に学校に来た
でもお母さんと朝ごはんを食べながら話していたとき、一つだけ気になることを言っていた
"「なまえももうここに来て1年経つのね…ここの環境にはもう慣れた?」"
"『うん!毎日楽しいし』"
"「なら、安心ね…一人でも」"
一体どういうことだろうか
考えることに精一杯で授業受けるところではない
ープルルルルルー
授業を遮るように電話が鳴った
「はい2-Bです…………え?……………はい、では今そちらに向かわせます」
先生の顔が真っ青になった
どうしたんだろう?
「みょうじさん、今すぐ病院に行って下さい!お母さんが運ばれたみたいなの!!」
『お…母さん……が?…………病院に?』
「工藤くん、あなたも一緒に行って下さい」
「え?」
「あなたのご両親がみょうじさんのこと を迎えに来てくれるそうなの」
「…わかりました」
新一に支えられながら教室を出た
……これは夢だよね?
現実じゃあないよね?
…ねぇ、お願い……嘘って言ってよ………
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