one more chance


重い瞼をゆっくりと開ける

目の前にはトラックもお店も道路もない
人もいない

ただただ、光に包まれている空間が広がっていた

『…なるほど……どうやら私は死んだようね』

「その通り。君はトラックに跳ねられるという交通事故で命を落とした」

『…………誰?』

「わしは神じゃよ。正確に言えば生死を決める神…ということ」

『……サンタクロースみたい』

「サンタクロースではない!神じゃ!」

『へぇ…』

私はサンタクロースに似た神をじと目で見た

「おっほん。まぁそれは良いとして…君にはもう一度チャンスを与えよう」

『チャンス?』

「そうじゃ!君は今までいた世界で人を助けることで大活躍した。それ故に、もう一度生きるチャンスを与えるのじゃ」

『…………は…はぁ』

「どうするかね?」

『もう一度生きるってことはつまりどういう事なんですか?』

「わしが選んだ世界で人生を一からやってもらう。その世界には君と同じような人間が多数存在するからまぁ心配あらんじゃろ」

『最後の方適当だなぁ』

段々と面倒になってきたのか適当に喋る神

「おお、そうじゃった!ただし注意事項がひとつある。」

『何です?注意事項って』

「記憶が無くなるという事じゃな。」

『…なるほどね。私と同じような人間、つまり探偵ってことね。………わかったわ、そのチャンスもらうわ』

そう告げるとすぐに光の中からドアが現れた

「さぁ、道が開けた。行くがよい」

私は覚悟と興奮で溢れた手でドアを開いた

目の前には光の壁

私は光の壁へ姿を消した















ーキィィィィ……… バタンッー




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