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「鏡夜。部のHPがすごい事にな――」

竜胆の言葉が終わる前に環は走り出した。環は一瞬で竜胆のノートパソコンを見、状況を確認した上で双子のもとへと向かったのだ。対して距離も無い場所でも環は全力疾走だった。隣に居た鏡夜も竜胆のノートパソコンを見たが、特に何も言う事はない。

「これは環の体だね。光と馨もせめて相手を選べば良いものの」

ハルヒの顔と環の体のアイコラというものだった。ハルヒは女の子達の前で脱ぐ事は出来ない。怪しまれない為にやった事だろうが、かえって不自然な気がしてならない。竜胆と鏡夜が遅れて部室に行くとやはりか、そう思える状況が広がっていた。環は双子に文句を言う事を諦めたのか、騙されたのか環私物の中のドレスを漁っていたのだ。

「なんか最近ヒマなんだよなーハルヒ。おまえん家行っていい?」

「ダメ」

「んじゃおまえの女疑惑タレ流していい?」

「人を一体何だと…」

「「決まってんじゃん、“おもちゃ”」」

ハルヒの問いに光と馨は断言した。また二人の悪い癖が出てしまったと竜胆は小さく溜め息を吐いた。

「おもちゃが好きならぜひ我が部へ〜…」

扉の隙間から覗く全身真っ黒なローブに身を包む人物。それは黒魔術部の部長である猫澤梅人。ちなみに明るい所が苦手で電気の下にもあまり下りない。

「猫澤先輩。この間は猫を飼ってくれる方を見つけて下さってありがとうございました」

竜胆はその影に飛び込んでいく勇気を持っていた。奇妙な猫澤にも平気で近寄る。迷い込んだ猫の飼い主を崇に探してもらっていたが、崇が見つけてきた相手は猫澤だったのだ。猫澤の親戚で猫好きな彼の紹介ならば問題無いと竜胆は子猫を手放した。

「柊君〜…その説はありがとうございました〜…彼は賢い猫でしてジキルと名付けたそうですよ〜…」

ジキルとハイドのジキルではない事を信じよう。

「おもちゃの話でしたね〜…世界の古魔道具市開催中〜今ならもれなく素敵な呪い人形をプレゼント〜…」

どうやら猫澤は告知に来ただけらしい。


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