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そして次の日の休みには空港はハルヒを見送る人達でいっぱいだった。だが、一人それを阻止しようとしている人物がいた。

「…ちょっと…待ちなさいよ…なんっっであのバカも一緒なのよ!」

ハルヒと環は同じ飛行機で同じ目的地へと向かった事を始めて知った蘭花は怒りを堪えきれずにずっと文句を言っていたのだ。その姿を見て女性達は驚きを隠せない。

「降りろ、アホ――!ハルヒを返せ〜〜!」

「蘭花さん!パパさん落ち着いて!」

はなせ〜!なんて言う蘭花はもう周りの目を一切気にしていない。

「…覚えてなさいよ…!うちの娘に手え出したらただじゃおかないわよ――!このバカ――!」

蘭花の言葉は娘思いの父の言葉で誰もが同情する場面だと思っていた。が、それを拾う女性達。

「え…娘…?」

「…ハルヒくんて……」

「「アレ?女の子…だったの…?」」

そう言いながら首を傾げる女性達。

「だ…だって、知ってたって…」

「それは…ハルヒくんならきっと女装が似合うに違いない事を知ってたっていう…」

皆は血の気が引いて行った。

「と…殿との事の応援って…」

「それは勿論禁断の恋なら全力で応援しなきゃって…」

「ファンならどんな情報でも知りたいって話は…」

「はっ、ハルヒくんは貧しい境遇だから詮索しては失礼と皆で協定を…!」

かみ合っているのかかみ合っていないのかよく分からない会話。とりあえず皆が驚いているのは間違いない。

「「「え…え…えええええ〜〜!?」」」

「牡丹君!牡丹君はちゃんと男の子よね!?」

「え…うん、牡丹は男」

間違った事は言っていない。

「ですよね!牡丹の君の情報はちゃんと握っていますのよ!確認しましたもの☆」

どうしよう…。竜胆は心の中で呟き周囲に助けを求めた。それに気付いた様に皆顔を逸らす。それでもきっとハルヒちゃんなら大丈夫だと言う無駄な自信があった。そして彼らは普段開けられるはずの扉を自らの手で開く。


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