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学期末試験も無事に終えて、送別パーティーを控え、ハルヒを抜かしたホスト部員達は集まっていた。

「…いいか?皆の衆。明日はついに送別パーティーだ。…と同時に例の計画を実行に移す時でもある。念の為ポジショニングのおさらいを今一度――…」

「「ハイハーイ殿!それってホントに上手くいくわけ?」」

「はっきりいってものすごい賭けじゃん?もし鏡夜先輩の推測が間違っていたら――…」

「俺は信じたい。ホスト部員として過ごしてきたハルヒの時間と、それを見守り続けてくれたお客様達との日々をさ――…」

「それともう一つ、部長からお話があります、どうぞ」

「へ?俺?」

鏡夜から話を振られた環はえ?と首を傾げた。それと同時に皆も何事かと思った。そして7月20日。午後5時。中央棟大広間にて、

《紳士淑女の皆様。ホスト部主催の留学者送別パーティーにお集まり頂きありがとうございます。送別会と銘打ってはございますが、お客様に存分に楽しんで頂く事が我が部のモットー。かくして今宵のテーマは――…ホスト部流仮面舞踏会――…!》

仮面舞踏会、それにもまた別の理由があった。

「ハルヒくん、いよいよですわね…お支度は整いまして?」

「はい、なんとか」

「「姫達聞いてよ。こいつってば薄情なのーここまできたら留学はもうしょーがないけど、かわりに毎週末自家用ジェットで遊びに行くっつッたらさー」

それは禁止。1年しかないんだから遊んでいる暇なんてないの。そう言ったのだ。その事は言うと皆ハルヒらしいと微笑んでいた。ハルヒの送別会とは言っていなくても、皆自然とハルヒに集まっていく。次々とダンスを申し込まれ、ハルヒは女性達とダンスを踊る。

「光馨。そろそろ移動しよう」

竜胆の言葉にラジャーと口を揃えた光馨。そして三人は足早に大広間から出て行った。

「いやぁ、久々の事だし腕が鳴るわね!」

それはいつかと同じ光景。

「ハルヒちゃんいらっしゃーい☆」

「ほら、さっさと座ってよ、かるーくメイクするから、済んだらソッコー着替えてね」

ハルヒには嫌な予感が巡った。

「「いやー僕らは無謀だって言ったんだけどさー殿と鏡夜先輩がさァー」」

「…ハルヒ」

そこに入ってきたのは鏡夜。

「俺は本来勝敗の見えない賭けはしない主義だが、今回だけは環と同じように賭けてみてもいいと思った。環の家の事情を皆がとっくに知っていたと聞かされた時、俺はまさかと思った。もしそれが本当なら皆はおまえの秘密すら知っているという事になる。知っていて、それでもあえて黙っていてくれたのだとしたら――…?」

私も同じ。竜胆も小さく頷いた。


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