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その日からホスト部解散はあちらこちらで耳にする噂となった。原因として考えられるのは変貌したハルヒと環の仲違い、それよりも環と竜胆がクラスでも全く話さなくなった事から須王環と柊牡丹の仲違いの方がより有力として噂に取り上げられていた。
「牡丹君…環君と仲違いしたと言う噂は…」
そう聞いてくる女性達は何人も居たが、竜胆は理由も話さず小さく微笑んでから立ち上がった。今では移動教室も一人きりで移動だった。鏡夜と話さないわけではないが、話す機会が減ったのは事実だった。
「「竜胆ねぇ」」
「光馨、ハルヒちゃんも。元気?」
「さっき殿と鏡夜先輩と会ったよ」
「そりゃ会うでしょうよ」
ずっと教室に居るわけでもないし。竜胆は小さく微笑んだ。そんな竜胆を見てハルヒは小さく謝った。
「すいません…竜胆先輩…」
「どうしてハルヒちゃんが謝るのよ?」
「だって…自分に被害が来ない様に環先輩と仲違いしたって…」
その言葉を聞いて竜胆は声を出して笑った。それにハルヒと光馨はポカーンと口を開いた。
「何でハルヒちゃんのせいになってるのよー?私に出来る事をしたまでよ?ハルヒちゃん、何か困った事は起きてない?光馨。ちゃんとハルヒちゃんに被害がないように見張ってなさいよ?」
「そりゃ分かってるけど」
「竜胆ねぇは大丈夫なの?」
「柊牡丹を敵にしたい人間はいないって事かしらねぇ。あはは……ん〜」
竜胆は後輩達が全く笑っていない事に気まずそうに視線を逸らした。
「本当に大丈夫よ。あなた達が私を竜胆と呼んでくれるんだもの。あ、そう言えば鏡夜から三人に伝言があったから来たのよ。明日鏡夜の家に集合ね。色々と話す事があるみたい…あぁ、もう!皆環を待ってると決めたのでしょう!?そんなに落ち込んだ顔するな!私まで落ち込みたくなるわ!」
伝染するんだから気をつけてくれないかな?竜胆は小さく笑った。
「私なら本当に大丈夫なのよ。どうして鏡夜が私に伝言を頼んだのか分かる?メールで送れば良いだけなのにさ。鏡夜は私にあなた達と話すきっかけをくれたみたい。皆心配性で困っちゃうなぁ。私、そんなにか弱く見えるのかしら?むしろ単身乗り込んできた強者だと思うんだけどね」
竜胆はピースサインを使って三人に向けてから歩き出した。私は今ちゃんと笑えているだろうか。分かってる。多分笑えていないからこそ心配をかけてしまっている事くらい。頭では理解してても心じゃ理解出来ていない事なんか山ほどある。
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