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「しっかしなんでわざわざ決闘の日取りを卒業式前日まで引っ張るワケ?どうせやるならさっさと片付けちゃった方がいーんじゃ…」
「もう2年生にもなろうというのにそんな事も分からないのか?お楽しみは先延ばしにする程得るものも大きいものなんだよ…?」
無駄なまでの爽やかな笑顔を浮かべる鏡夜はひどい。この店長はギリギリまで稼がせるつもりらしい。しかもどちらが勝つかと賭けまで始まっている。
「皆ひどいや…モリ先輩とハニー先輩の一大事をよってたかって面白がって…挙句の果てに賭けまで…!」
そうして環はまた泣くのだ。今更誰も本気で慰めたりはしないが。
「しっかしあの二人ときたら決闘宣言以来学校じゃ一言も口きいてないらしーじゃん」
「ある情報ではモリ先輩は夜遅くまで稽古は勿論の事、精神統一の為か書道までしているらしいわ」
ある情報とは悟以外考えられない。
「一方ハニー先輩は夜中に自室からシャリシャリと刃物を研ぐ様な音がするという情報もあるわ」
その情報源は靖睦以外考えられない。どうやら竜胆はこの二人とも繋がりがあるらしい。そういえば以前光邦の寝起きの話をしていた事を思い出していた。
「でもさあ、実は僕モリ先輩は結局ハニー先輩に勝てないんじゃないかって思うんだよね…」
「馨?」
「だって想像してみてよ。192cmのモリ先輩が148cmのハニー先輩を投げ飛ばしたり、技かけたりとかってさあ…」
馨の言葉に竜胆光ハルヒの三人はそれを想像してしまった。――いじめかっこ悪い!そんな標語が浮かんできた。
「じゃあ馨はハニー先輩にひと口と…」
「あっズルイ!そんなら僕だってハニー先輩にひと口!」
「あら?皆ハニー先輩推し?なら私はモリ先輩にふた口ね」
「おまえらまでなんて不謹慎な!俺は竜胆と共に参戦するぞ!俺はモリ先輩に10口〜!」
「…おちつけ」
ハルヒの冷たい声が響いた。
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