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「わー!え、その着物超カワイイんだけど!」

「ありがとう。実はねこれ柚葉ちゃんにデザインをお願いした着物なのよ、一点もの〜!」

いいなぁと小さく口をしながらメイは着物をまじまじと見ていた。

「「母さんにお願い?何でまた?」」

「これから少しずつ柚葉ちゃんの仕事を見せてもらうの。と、言っても撮影がある時だけね」

その為には柚葉ちゃんがデザインした服の特性とか知っておくべきでしょう?竜胆は微笑んだ。本日は1月4日。皆で初詣に行く約束をした日。雷門前で最後になる環の到着を待っていたのでした。

「「殿!おそいよー!」」

「たーまーちゃん!あけましておっめでと〜!」

人で賑わう中を歩くホスト部だが、やはりその中でも目立っている事は変わりありませんでした。

「ハニー先輩とモリ先輩も元旦からずっと親戚の相手を?」

「うん!従兄弟達と手合わせしまくったよ〜☆」

「…ああ」

「りんちゃんはどうだった〜?」

「親戚や親切にしてくださっているお知り合いの方々の挨拶に片っ端から付き合いましたよ!私の名前を知ってもらう為に」

うふふ、と竜胆は声に出して笑った。両親が移動する車に先乗りして勝手にご挨拶。自分の名前を広める。初対面の人とでも軽く話せるのはホスト部に入ったお陰かもしれない。

「楽しそうだな、竜胆」

「えぇ!やっぱり私の美貌は男女共通よ…!」

「…言動が環だな」

うん、それはちょっと複雑だからやめてくれる?そう言いながらも竜胆は笑顔だった。今充実している気がしてならないのだ。夢に近付く事、好きな人が隣に居る事が――…

「はうわっ!?」

竜胆は突然大きな声を出し立ち止まった。一体何事かと光邦は他の人に迷惑がかからないようにその手を引いた。

「どうしたの、りんちゃん」

「え?あ、いえ…」

あれ?私浮かれすぎていて気付いていなかった。鏡夜の好きな人ってハルヒちゃんではなかったかしら?頭の中で聞いてみる。そうよ、あれは鏡夜自身が気付いていないとしても、ハルヒちゃんに気があったのは確か。どうして私に…?そんな疑問を抱いてしまった。鏡夜が嘘や冗談で告白するとはとても思えない。でも、なら、鏡夜はハルヒちゃんに向けた感情に気付いていない上で私に告白を…?竜胆はぼんやりと考えた。


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