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「あははっ!鏡夜、可愛い」

「はぁ?意味が分からん。早くデータを」

「今纏めてあげてるんだから待って」


鳳鏡夜の観察日記@


体育祭で対決が決まった鏡夜と環。その二人は相変わらず対照的だった。むしろあまりにも対照的だからこそ成り立っている親友関係の様に思えた。そんな間に挟まれる私はやはり中立の立場。環の様に騒ぐ時もあれば鏡夜の様に冷静に周囲を見ていたりする。

「とにかく赤白両組の生徒データを洗う事です。個人の運動能力値はもちろん性格、交友関係部活動等における上下関係調べる必要があります」

白組はデータを検証し、そこから徹底的に攻め込む事になった。当然、それは鏡夜がリーダーだからだろう。確かに桜蘭には上下関係というものは存在している。良家故にお互いの立場や身分があるのだ。

「鏡夜。牡丹の君特別の交友関係、上下関係を纏めたものよ。悪用禁止」

竜胆はプリントアウトしたものを鏡夜に見せると鏡夜は小さく微笑んだ。

「しかし鳳君。交友関係なんて競技とどう繋がって…」

「失礼ですが生徒会長。ざっとデータを見る限り残念ながら運動能力においては紅組の方が幾分有利な選手層になっているようですわね。鳳さんはそれを踏まえた上で精神面での作戦を検討されるおつもりなのでは?」

「そうでーす、要するに敵の弱点につけ込むって事でース☆」

「腹黒い作戦でース☆」

「まあ非道ね、さすが鏡夜君」

どうも白組トップ陣は頭脳派ばかり。一方赤組は団結力等と言っているに違いない。それは想像すれば容易いものだった。

「確実に点を稼ぐべきなのは序盤の競技とラストのリレー。そしてプログラム中間の応援合戦直後の競技です」

特に応援合戦直後の競技は選手の選択を誤らなければ一気に点差を引き離せる確率が高い絶好のポイントらしい。それを私は興味無く頬杖つきながら聞いていた。

「応援合戦の内容はどーすんの?鏡夜先輩」

応援合戦自体は点に繋がらないから運動が苦手なメンツでできるように……いいの?鏡夜。環はここぞとばかりに応援合戦に力を入れてくるでしょうね。


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