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「あら、ハルヒちゃん。ちょうど良い所に。今からハルヒちゃん家に行こうとしてたの。乗ってくでしょう?」

ハルヒは車に乗せてもらってから首を傾げた。ただ今藤岡家ではホスト部員達が勝手に闇鍋パーティーをし、高級食材が無くなったから買って来いとの命令で百貨店まで足を伸ばし高級なお肉を買ってきた帰りだったが、そこに竜胆の姿はなかったのだ。


柊竜胆の観察日記E


「今日は何か予定でもあったんですか?」

「そうそう。ドキッ☆女だらけのファッションショー!ポロリもあるよ――みたいな?」

「全く分かりません」

そして竜胆は自分も闇鍋パーティーとやらに参加したいと車を帰し藤岡家に入ったは良いがそこにはホスト部員達の姿は綺麗になくなっていた。

「あれ?お父さんお帰りなさい。先輩達は?」

「んー?おかえりィーなにやら悪さしようとしてたから追い返しといたワよー。あら、竜胆ちゃん、いらっしゃい〜」

「お邪魔します」

悪さって何だろう。竜胆は不参加の作戦の為に内容を知るはずがない。ハルヒも興味がない。

「この高級お肉食べていいのかな…」

「いいよいいよ。食べちゃいな。どうせ元手はハルヒちゃんが使った消しゴムとか定規とかその辺だろうし」

最近自分の物が無くなると必ずと言って高値でやり取りされている様な気がした。とりあえずハルヒは竜胆を通りお茶を淹れた。それを飲んだ竜胆は小さく息を吐いた。

「忘れてた。これお土産」

竜胆は紙袋から箱を取り出し、そこには英語で書かれていたがどうやらチョコレートの様。

「海外に行ってたんですか?」

「そうそう。双子の兄の所へ」

さっきの女だらけの…もう忘れた。それは牡丹の為だったのだろうか、ハルヒは首を傾げる。

「私が身体測定の時にお世話になってる様に牡丹が脱ぐ様なイベントがある時は私が行くのよ。ちなみに今回は水着のファッションショーのモデルを頼まれた牡丹がどうしても断りきれなかったから私が参加したわけ」

なんともめんどくさそうな事を…。

「飛び入り参加して成功すると思ってる方がおかしいわよね…」

失敗したんだ…ハルヒは小さく呟いた。

「いやいや。そこ私を侮っちゃいけません。私は大成功してあげたわよ!牡丹には出来ない本物の笑顔を見せて審査員賞貰ってきたわ」

何をしたんだか、あんまり聞きたくもない。


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