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須王家第二邸が環のお家。環の部屋に入ると嬉々とした表情を浮かべるメイド達に服を脱がされている主の姿が。顔は赤いがそれは脱がされているからではなく、熱のためだと分かった。わいわいしている様に見えなくもない。
「「なんだ元気そうじゃーん」」
「タマちゃんお見舞いに来たよ〜あのねえいちごとチョコのとねぇ〜」
勿論ケーキはお見舞いの品ではなく、持参だ。ちなみにかわいそうだからクマちゃんも学校から持ってきてあげた。
「おまえら学校は?」
「「もう終わったヨ」」
「平気そうね。…で、アントワネットは?」
竜胆は辺りをキョロキョロさせた。普段ならこの時点で飛び込んできている頃だろうが、その気配は全く無い。それがかえって怖いのだ。アントワネットはうるさいのでメイドの部屋に隔離されたとか。そしてメイド達には部屋から出て行ってもらい、環の世話をし始めた。
「それじゃ環が着替えている間私はアントワネットと闘ってくるわ…!」
闘うと言うわりには自分からアントワネットに絡みに行っている竜胆。そしてそんな彼女が戻って来ると一戦交えた様にボロボロになっていた。環の寝室から書斎に移るとそこは面白いものだらけだった。
「“庶民のお菓子コレクション第3巻”だってー!」
「どーすんだこんなに庶民菓子のパッケージスクラップして!」
そのスクラップ帳にはメーカーと種類別に分類して食べた日と感想まで書いてある。環はあぁ見えてA型だった事を思い知る。
「光馨!2巻は見つけたわ!なんとしても1巻を探すのよ!」
「「ラジャー!」」
皆は環の心配をするよりもそちらの方が気になってしまう。
「ハルちゃんは何見てるの〜?」
「環先輩の食玩コレクションです」
ハルヒは棚の中に綺麗に飾ってある食玩を眺めていた。
「「食玩?」」
「なぁにそれは」
「庶民菓子のおまけ玩具の事だよ」
これか。環が以前言っていたひとつぶで二度おいしいの事は。竜胆は意外にも作りが細かい事に感動していた。
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