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桜の季節がやってまいりました。南校舎の最上階。北側廊下つきあたり。扉をあけるとそこは海賊共の巣窟でした。

「野郎ども配置につけ!錨を上げろ!目指すはこの世の果て!どんな宝石よりも美しく触れた者を魅了して離さないと言われる伝説の秘宝!こちらの姫のハートを奪いに…!」

キャプテン環こと2−A須王環。ホスト部キング(自称)

「いつにも増して本格的なセットですわね☆光君楽しそう☆」

「まーね、やっぱ面白そーじゃん?海賊とかって。危険はつきものだけどまーそれも醍醐味っつーか」

「光…!」

「なんだよ、馨。臆病者はすっこんでろよ。おまえの欲しいモンなら俺が代わりに奪ってきてやるからさ」

「…っ!ひどいよ!僕は光が無茶をしてケガでもしたらって…もういいよバカ!心配してソンした!」

「馨!違うんだ、俺は…おまえを…危険な目に遭わせたくないんだ…」

「光…!」

1−A常陸院光・馨

「…今日は長いですね――小芝居が…」

ノリノリで手を合わすのは光馨。それを冷たい目で見ているハルヒ。

「海賊モノはあの二人にうまくハマっているからな。もっとも俺としては興味の対象外だけどね。お尋ね者の略奪者より合法的にのし上がる方が遥かに達成感があるもというものだろう…?」

2−A鳳鏡夜。ホスト部副部長。だが背後に黒いものが見えすぎる為に賛同出来ない。

「…あら、こんな所にも美しい宝石。この島は俺にとって楽園そのものみたい。光り輝く宝石に磨けば自分の好きな様に輝く原石。さて、俺に磨かれたいのはどの原石?」

2−A柊牡丹(柊竜胆。女子)いつもより役に入っている様に見える彼女は男の海賊衣装だが、長い髪のウィッグは雑に纏め上げられている。本人曰く海賊風らしい。

「あれは噂に名高い悪魔の島。“うさちゃん島”ではあるまいか?崇!上陸準備だ!ボートを降ろせ!」

「了解」

「みんなも気をつけてね!危険がいっぱいだよ!さあ!僕から決して離れないように!」

3−A埴之塚光邦&銛之塚崇。うさぎツアー。楽しいのか、あれは。

「海賊は男の子のロマンなのねえ…ハルヒくんもやっぱり海に出てみたい?」

「でもそうすると女の私達は置いてかれちゃうわね…」

「置いてなんかいかないよ。こうして皆でお茶してる方が好きです」

1−A藤岡ハルヒ(実は女の子)その背後には海に出るのはめんどうだから。言葉が読めるのはホスト部員達だけだろう。彼等内女子二名の八名がホスト部に在籍している。

「藤岡に渡したいモンがあって…」

そこに現れたのはハルヒが女子だと知るホスト部員以外の人物である笠野田。

「た…食べられる植物育ててみてえっつってたろ…?よ…よければ友情の証に…」

「え…くれるの…?」

笠野田は動物の世話がしたいのだが凶悪顔のせいでなかなか懐いてもらえない。そのリハビリとしてまず植物の世話からと園芸部に入ったのだ。ハルヒは笠野田が持って来たプチトマトの苗木に芽を輝かせた。それに対抗した部員達がジュースに入っていたさくらんぼの種をプランターに植えてあげようとしたがハルヒは即答で拒否。


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