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それからホスト部は徹底的に笠野田を変革しようと特訓を決意したのです。そうしてから早いもので一週間が経ちました。ボサノバ天使化計画その14ネコ耳ウエイター。女性は猫耳と言うラブリーな物と、ウェイターの装備でもあるギャルソンエプロンに弱いもの。が、狼男と逃げられる。事態はより悪化してしまったのです。

「うぬう…また逃げられた。究極の癒しアイテムネコ耳作戦も失敗か…」

その後ろで鏡夜が書くノートには環罰金と書いてある事に本人は気付いているのだろうか。

「おかしいな…ネコ耳は古来より男子向けの萌えモチーフなのは周知の事実だが、昨今では女子にもかなり人気と先日もれんげくんが熱く語って…」

「それは対象範囲が限りなく狭いのでは…」

「そもそも普通のお嬢様方には刺激が強すぎるんじゃない?」

「萌えかは知らんが、つけ耳だけで彼の顔面の恐ろしさを緩和させるのはやはり難しいんじゃないか?」

「そーそー殿はツメが甘いんだよ」

「どーせやるならホラ」

「「思いきってネコ耳メイドさんにしないと」」

ボサノバ天使化計画実行委員の皆様の案とはとても思えない。

「余計マニア向けだろーが!ナメてんのかてめーら…」

怒鳴られた三人はわざと泣いたフリを見せる。あからさまに“フリ”なのだが、笠野田は簡単に信じて謝ってしまう。

「す…すんません」

笠野田の事態は悪化を辿り、ますます人に避けられている気がすると本人は言う。

「イヤ明らかにカサノバ君の謝ることじゃないよ。明らかにこの人達の変な作戦の数々に問題が…」

ハルヒはナチュラルにひどかった。確かに光と馨が出す案は良いものだとは思えない。そもそもこの計画自体が意味の無い事だとそろそろ誰か言い出してくれれば良いものの。竜胆は小さく溜め息を吐きながらお茶を飲んだ。

「あ、りんちゃん〜!僕もお茶するぅ☆」

「はい、どうぞ。是非ご一緒して下さい」

そしてやけに光邦は竜胆と行動を共にする様になっていた。崇が笠野田と一緒にいるから?そうだとはとても思えなかった。


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