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朝の日課である散歩。今日は天気も良いし少し遠出しようと近くの公園まで出向き、そこで鳩達に盛大に囲まれながら餌をやった後いつもより時間が遅れてしまった。そう思いながら帰って来た時使用人に言われた言葉で竜胆は首を傾げた。それでもいたって通常通りシャワーを浴びて部屋に戻ってきたと同時に携帯が鳴り響いた。

「ハールーヒーちゃーんっ、あっそびましょ〜!!」

爽やかに藤岡家の前で挨拶すると皆を向かえたのはめんどくさそうなハルヒではなく、蘭花だった。見てはいけないものを見てしまい皆は身を翻した。

「コラコラコラ。あからさまに“見てはいけないオカマの素っぴん見ちゃいました”って顔すんじゃないワヨ。こちとら寝起きにヒゲくらいはえるっつの」

そんな深い事情はあまり聞きたくなかった。蘭花は環の手からお土産だけを奪って皆と挨拶を交わした。

「つってもハルヒなら留守ヨ?朝早く女友達が迎えに来てネー」

そりゃ残念だった。でも確かにハルヒにも中学時代の女友達と遊んだりする事もあるだろうと皆がっかりしながら突撃訪問した事を反省した。

「んー今朝の子達は初めて見る顔だったワヨ?まー名門のロベリア女学院に友達がいるなんて知らなかったけど」

その言葉を聞いて皆は蘭花に詳しく話を聞く事にした。どうやらハルヒを迎えに来たのはロベリアの制服を着た三人。印象を聞けば皆が知るロベリア三人と一致していたのだ。

「あぁー通りで今朝家にもロベリアの人達が来たはずだ」

それは今朝散歩から帰って来た竜胆が使用人に言われた言葉だった。

「「「なっ!?」」」

「今朝さ、自分が散歩に行ってる時にロベリアの制服着た三人が自分を迎えに来たって話聞いてビックリした」

「な、何でそれを先に言わんのだ!?」

「何でって…まさかあの子達だと思わないし、ハルヒちゃんまで連れて行くとは――…」

あ、考えられるね。竜胆がニコリと微笑むと皆は項垂れた。そしてハルヒ救出作戦が実行される事になる。今皆が居るのはロベリア女学院の前。が、外壁が高過ぎて中を覗く事が出来ない。秘密の花園の様に思えた。

「今ハルヒの絶叫が…!」

環の言葉に皆首を傾げた。何でもハルヒの中腰怖いという声が聞こえたとか。その案良いねと中腰になった環に双子の足はかかっていた。

「ちょっとあんた達!ふざけてる場合じゃないデショ!ヅカ部を甘く見ると痛い目に合うわヨ!」

そう注意するのは女装する時間もなかった蘭花である。蘭花はロベリアのヅカ部が犯人と聞いて焦っていたのだ。


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