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《只今より第43回桜蘭学院祭を開催致します》

そんな放送が流れたのはいつだっただろうか。もう校内は祭一色。そして有名人の数々とすれ違うも竜胆はそれに今更驚いたりはしない。そして竜胆は廊下を歩きながら目的地へと目指した。

「柚葉おばちゃ――…いだい…」

竜胆は涙ながらに目の前の柚葉の顔を見た。それを見ていたハルヒは驚いた。光と馨の両親だと言う事はさっき知った。双子と同じ様にファッションや化粧にこだわりがあるらしく何個か注意された。その光と馨の母は竜胆の顔を見た瞬間竜胆の頬を抓ったのだ。

「何かな?竜胆ちゃん?」

「…お久しぶりです……柚葉ちゃん」

竜胆が涙ながらに言うとパッと手を放された。抓られ赤くなった両頬を竜胆は自分で撫でていた。そうか、光と馨のはとこならば二人の両親と面識あって当然だったのだ。それにしてもあんなに押されている竜胆を見るのは新鮮だった。竜胆は二人の母親と話した後手を振ってからハルヒの所へやってきた。

「竜胆先輩。クラスの方は?」

「宣伝係りなのだー」

「の、割にはどこのクラスが何やっているかも全く分からないんですが?」

ん?と首を傾げた後竜胆は自分の姿を見て驚いた。ユニフォームを着ていない事に。それに驚く事にハルヒは驚きだった。

「ま、いいか〜ハルヒちゃん達を呼びに来たってのもあるし。それにしてもハルヒちゃん可愛い格好してるね〜自分もそういうのが着たかったなぁ」

「…竜胆先輩って光と馨のお母さんに似てる所ありますね」

「そう?でも、あんまり近くはないよ?光と馨のお爺様の兄が母方のお祖父様だから。常陸院は女傑一族だからね〜入り婿がほとんどでね。光と馨お父さんそっくりで心配とか言うけど、あれは完全に常陸院の血筋」

竜胆は笑いながら小声でハルヒの耳元で呟いた。本人達が心配していた事を言い当てた竜胆はやはり二人の姉的存在なのだ。

「1−Aのみなさーん☆ベニスの街よりケーキの差し入れでーす☆」

可愛い格好をした光邦と崇も揃い、そろそろ部のイベントの為に2−Aへ揃って行く事になった。

「ハニー先輩とモリ先輩の御両親もみえてるんですか?」

「うん今中等部の方に行ってるよ――弟達の企画見に」

それを聞いてハルヒは驚いた。しばらく一緒にいるが、弟がいるとは初耳だったのだ。そしてハルヒは視線を竜胆に移した。

「家の両親?あ、やばい。そろそろ来るって連絡あったんだ。ごめん、先に行ってて!皆2−Aの企画をお楽しみに〜」

そう言うと竜胆は一人中央棟広間へと急いだ。そしてそこに辿りつく前に鏡夜の姿を発見した。

「鏡夜、お互い大変ね」

「まぁな」


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