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そして中央棟サロン争奪戦が始まった。ホスト部には正式なユニフォームが無い為に本日は応援団仕様となっている。何故わざわざこんな動きにくい格好を…そう思ったハルヒだが、ただ格好良いから!基本的にそんな理由だった。ルールは各ポイントでお題に挑戦し、一人でも通過できれば勝ち抜け。全てのポイントをクリアした団体にはキーワードが与えられ、それから連想される“場所”を探し当て、そこに隠された王冠を手にした方が勝ちと言う事になった。
《レースをスタートします!》
そんな声と空砲が鳴り響いた。
《第一ポイントは勝ち抜き早押しクイズ!シェイクスピア作“夏の夜の夢”に出てくる妖精の王の名前は?》
それに正解すれば油まみれのツルツルの坂をのぼって次のポイントを目指せというもの。
「成程。最初のポイントから大幅に人数をふるい落とすわけか」
「あれ自分無理だわ。転んだら骨折れそう」
竜胆は自分のハチマキを縛りなおした。環が正解を出し、走り出すも滑って戻ってくる。そんな環の上を光と馨が行くもやはり滑って登れないが、崇を土台に光邦が飛び出し、一気に頂上へ。ホスト部は難無く第一ポイントを通過した。第二のポイント数理クイズ&懸垂100回。数学の得意な鏡夜と光邦がクイズをこなして行く後ろで崇が余裕の懸垂を見せた。第三のポイント暗記クイズ&綱渡り。それを聞いて竜胆は裾をまくった。
「バランス感覚勝負なら任せて。このバレエとヨガで鍛えた柔軟性とバランス力を牡丹の君が披露しようじゃないか」
とりあえず落ちたら助けて。それだけを言い残し竜胆はグラグラと揺れる不安定な綱の上へ上がった。その前では鏡夜が難無く暗記クイズを解いていく。第四のポイントは名画神経衰弱&フリースロー。
「「A−1とD−5!フェルメール“デルフトの眺望”“天文学者”!」」
そしてフリースローを決め、アナウンスが流れる。
《抜けたァ!ホスト部アメフト部同時クリア!他に続く団体はゼロか!?やはりどうやら火種トップ2が最終決戦へと挑みます!王冠を手にするのはどちらの部か!?》
放送されているこの様子は誰が見ているのだろうか。そして見た人物は何を思うのだろうか。そしてキーワードを見て皆首を傾げた。
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