27 (3 / 4)



「あーあ。完全に意地入っちゃったよ」

「ハルヒ、おまえカニ食べすぎ」

「当たっちゃうよ」

「…あのさあ…空手とか習ったらいいかなあ…」

ハルヒの思考はそちらに向いてしまうのか、と呆れる面々。それでもハルヒの言葉は昼間の事を気にしているからだった。

「そりゃ別に止めないけどさ、そーゆー事じゃないんじゃん?怖いモノ知らずも正義感強いのも立派だけどさ、正直今日みたいな無茶は反省した方がいいと思うけどね僕らも」

「だって光達には迷惑かけてないじゃん」

「ハルヒちゃん。自分だって最低限の護身術は身につけてるけどさ、どう考えても三対一に対応出来るレベルじゃない。相手は男だから。だからこそ環は怒ってる。環の言ってる意味分かる?」

竜胆の言葉にハルヒは首を傾げた。

「先輩があんなに怒るのはよくわからないです。けど、自分が弱くて迷惑かけたのは確かに悪かったし…」

そういう事ではないのだが。ハルヒは少しばかり感覚が違うらしい。

「違うよー?ハルちゃん。みんなにごめんねしよ?タマちゃんにもいっぱいいっぱい心配かけてごめんねってゆーんだよ?」

「心配…してたんですか、みんな…」

それは知らなかったと言うハルヒにその場に居た皆は呆れた。そしてハルヒは小さくごめんなさいと謝った。が、ハルヒは突然顔色を悪くする。

「気持ち悪い…」

「だからカニ食いすぎって!洗面所洗面所!」

ハルヒは崇に抱えられ、皆は洗面所を探す為に走り出した。

「どうなさいました!?何の騒ぎですか!?」

そこに突然現れたのは金髪碧眼の外国の人に思われる。皆は誰だろうかとその人物を見た。

「「あの――どちら様…」」

「お坊ちゃまご装束を」

そうして黒いヅラとローブを被ればそこに居たのは猫澤だった。喋り方もまるで変わっていて気付けなかった。

「どうなさいました〜…?」

わざわざ言い直さなくても。


[prev] [next]
[bkm] [TOP]
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -