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「あーあ。完全に意地入っちゃったよ」
「ハルヒ、おまえカニ食べすぎ」
「当たっちゃうよ」
「…あのさあ…空手とか習ったらいいかなあ…」
ハルヒの思考はそちらに向いてしまうのか、と呆れる面々。それでもハルヒの言葉は昼間の事を気にしているからだった。
「そりゃ別に止めないけどさ、そーゆー事じゃないんじゃん?怖いモノ知らずも正義感強いのも立派だけどさ、正直今日みたいな無茶は反省した方がいいと思うけどね僕らも」
「だって光達には迷惑かけてないじゃん」
「ハルヒちゃん。自分だって最低限の護身術は身につけてるけどさ、どう考えても三対一に対応出来るレベルじゃない。相手は男だから。だからこそ環は怒ってる。環の言ってる意味分かる?」
竜胆の言葉にハルヒは首を傾げた。
「先輩があんなに怒るのはよくわからないです。けど、自分が弱くて迷惑かけたのは確かに悪かったし…」
そういう事ではないのだが。ハルヒは少しばかり感覚が違うらしい。
「違うよー?ハルちゃん。みんなにごめんねしよ?タマちゃんにもいっぱいいっぱい心配かけてごめんねってゆーんだよ?」
「心配…してたんですか、みんな…」
それは知らなかったと言うハルヒにその場に居た皆は呆れた。そしてハルヒは小さくごめんなさいと謝った。が、ハルヒは突然顔色を悪くする。
「気持ち悪い…」
「だからカニ食いすぎって!洗面所洗面所!」
ハルヒは崇に抱えられ、皆は洗面所を探す為に走り出した。
「どうなさいました!?何の騒ぎですか!?」
そこに突然現れたのは金髪碧眼の外国の人に思われる。皆は誰だろうかとその人物を見た。
「「あの――どちら様…」」
「お坊ちゃまご装束を」
そうして黒いヅラとローブを被ればそこに居たのは猫澤だった。喋り方もまるで変わっていて気付けなかった。
「どうなさいました〜…?」
わざわざ言い直さなくても。
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