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「ハールちゃんっ!あっちに流れるプールがあるよ――!」

遊んでいた光邦の腰には可愛らしいうさぎの浮き輪。

「ハニー先輩泳げないんですか?」

「んーん?だってこの方がかわいいでしょ☆」

「文末に主語を入れてみたらどうだ?」

――この方がかわいいでしょ☆僕が☆

光邦の可愛らしさは実は計算ではないかと思い始めた面々であった。そもそも光邦と崇は少しばかり謎だった。お互いがお互いしか知らない事が多数ありそう。見て見てと光邦から声がかかれば流れるプールを逆走している崇、の上に乗る光邦

「ねー!進まないの〜☆」

もはや解読不可能だった。皆思い思いに水遊びをしながらこの時を過ごしていた。

「ねぇ、鏡夜。どう?私の水着姿。惚れた?」

「はいはい、惚れてますよ」

「…何そのなげやり感。熟年夫婦みたいで嫌だわ。あ、でも鏡夜は環の奥さんだから…ん〜この設定難しい箇所が出て来たわね」

設定を付け加えないで欲しい。その設定はいつまで続くのか、これから何度もお母さんと呼ばれる事等今の鏡夜は気付いていなかった。

「でも、ここは空が偽物で嫌ね」

「当たり前だろ。屋内、しかも地下だぞ」

「…それは少し寂しいわ」

ぼんやりと見上げてした視線を下ろして楽しそうにウォーターガンバトルしている光馨、そして環に目をやった。

「くらえ!必殺横とびビーム!」

環は文字通り横とびして、転がっていき、何かにぶつかった。それと同時にどこからか低い音が響いてくる。その正体は水のようでプールに居た光邦は突然の波に攫われて言った。

「ハニー先輩!」

「光邦!」

「「モリ先輩!そっちは逆流だァ―――!」」

光邦を助けようとプールに飛び込んだ崇は光邦とは反対方向へ流されて行った。この並をとめなければならないが、環が壊してしまったのはそれを制御するレバー。止められるはずがない。


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