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「素敵な噂が届いたよ」

竜胆の言葉に鏡夜と環は首を傾げた。

「なんと光と馨のケンカは継続中。光はピンク色の髪をして登校。そしてその間にはかわいそうなハルヒちゃんが挟まれているらしい。現在も学食にてもめてるだろうね」

それを聞けば環は黙っていられないと三人で足早に学食へ向かう事にした。そして竜胆の言った通り光と馨はケンカしたままだ。自分が食べるメニューでさえもかぶりたくないと変えてゆくも結局は丸被りという双子の奇跡を見せ付けている。

「やはりか…部の恥だな」

皆で学食に行けば光邦と崇の姿もあった。ぐったりとしているハルヒの姿もある。これでホスト部全員が揃った事であちらこちらから声があがっている。

「双子ってあそこまで似るものかね」

「双子のお前が何を言う?」

「あくまでも“私”はそこまで揃わないと言っているだけ。台本でも無い限りね」

「お、ハルヒどちたの――☆学食で会うなんて珍し――」

「二人にひきずられて来ただけでいつもお弁当なのです」

環の赤ちゃん言葉も随分恥ずかしいものだが、それは今となっては慣れたもので、どうする事も無く竜胆と鏡夜は本日のメニューを見ていた。

「どうしよう鏡夜、竜胆。ハートのやつだったら…!」

「おまえの妄想には脈絡というものがないのか?意味がわからん。Bランチ」

「環の妄想は人が理解出来るものじゃないよ、Aランチ下さい」

後ろでは既にメニューを手元に持って来た光がハルヒのお弁当と自分のランチを交換していた。どうやら馨と違うものにしたらキライなものばかりになったらしい。そしてハルヒはそのランチを一口食べて目を輝かせた。よかった…ハルヒ!誰もがそんな視線をハルヒに送った。

「でかした光。ほうびに俺のAランチをやろう。なのでそのハルちゃん弁当をよこしなさい」

「やなこった。あっち行け」

「ハルヒうまいの?こっちのもやろうか。はいあーん」

馨がハルヒの口元に持って行った料理を光が食べた。それがまた争いの合図。お互い食べ物や手元にある物を投げあう応酬。それを止めようとした環のもとにフォークが飛んできてそれを避けた結果、教頭が飲むスープにフォークがダイブした。環が正座で説教を受け、連帯責任として食堂の清掃がホスト部に言い渡された。当然掃除等慣れない事にホスト部員達はただただ疲れるだけだった。しかも問題を起こした光と馨の姿は掃除中から無くなっていた。


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