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「大変失礼ですが…お探しの学校は隣町の公立高校では?」

「…ここは黄林高校では?」

その言葉に皆は首を振った。桜蘭は診療所の娘が入れるレベルではない事を鏡夜は気付いていたのだ。

「…光馨。黄林までの地図を描いてやれ」

「「なんで?どーせその人娘さんに見離されて…」」

「それはこの人がこれから確かめる事だ」

環の真剣な言葉と声。

「…御武運お祈り申し上げます」

野武は皆に頭を下げてから娘がいる高校へと向かって行った。そしてハルヒはちゃんと身体測定を受ける為に部屋に残っていた。そこにはまだ竜胆の姿もある。

「ねぇ、ハルヒちゃん。さっきの話の続き。ハルヒちゃんはホスト部の事をどう思う?もしね、苦痛でどうしても辞めたいと言うのなら自分が借金を肩代わりしても良いよ」

「…え?」

「ハルヒちゃんがどうしても自分で返すと言うのなら、これからは自分に返してくれてもいい。もちろん利子なんて付けずにいつまででも待ってあげる。どう?」

竜胆の言葉にハルヒは少し考えてから首を横に振った。

「いえ。竜胆先輩の言葉はとてもありがたいと思いますが、自分のミスは自分の責任です。最後までちゃんと責任を取るつもりです。…それに最近はあそこも嫌いじゃない、です」

そう、なら良かった。竜胆は笑みを浮かべてからハルヒの頭を撫でてから歩き出した。

「ハルヒちゃん、なら私はあなたを応援するわ。学校生活も夢も全部。だから頑張って、今の生活を楽しみなさい。それを壊そうとする人が居るならば私が…私達が全力で守ってあげるから」

「…竜胆先輩っ!」

はい?と竜胆は振り返るとハルヒは近くまで来ていた。少し背の低い彼女の言葉を竜胆は待った。

「…竜胆先輩も、頑張って下さい。絶対に夢、叶えて下さいね。当然自分も頑張ります。応援しています」

ハルヒの言葉に竜胆は微笑を浮かべてから身を翻して歩きだす。そして宙を見上げた。そこにあるのは高く手の届かない天井だけ。




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