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「「牡丹にぃ、こっちこっち」」
「…光馨、久しぶり。…鳳君も元気?」
「柊君もね、元気だったか?」
光と馨とははとこ同士だと言うのは聞いた事がある。鏡夜とも繋がりがあるのだろうか。それにしては鏡夜は牡丹に一線引いているようにハルヒには見えた。
「牡丹。ここはもういいから早く帰りなさい。飛行機待たせてるんでしょう?」
「…竜胆。俺だって少しくらい楽しみたい」
「…わがまま言わない」
ハルヒにとって竜胆と牡丹の二人が揃って話しているのは不思議な気分だった。まるで竜胆の通常と女装バージョンの喋り方そのもの。同時に見ている気分だった。そこまで二人は瓜二つだった。確かに骨格や身長に若干の違いはあるが。まさか双子が2組身近にいたとは思いもしなかった。
「…それにしてもこの子不思議。俺見て竜胆じゃないと思った、でしょ?」
「え?あ、はい」
ハルヒは突然話を自分にふられ驚きながら小さく頷いた。牡丹はハルヒを上から下へと見た後にっこりと微笑みハルヒの耳元で呟いた。
「…竜胆をよろしくね」
その行為は竜胆との出会った日を思い出した。行動まで似る物なのだろうか。牡丹はそのままひらひらと手を振って保健室を後にした。
「ねぇ、ハルヒちゃん。牡丹に何を言われたの?」
「竜胆先輩をよろしく、と」
「…ったく。過保護なんだから。いい加減やめて欲しい」
そう言いながら竜胆は牡丹がいなくなった方向をずっと向いていた。ハルヒはそれを見てすぐに光と馨に捕まり身体検査の行方を見る事になる。
「ね、元気だと言ったでしょう、鏡夜」
「そうだな」
「…ねぇ、そろそろ教えてくれない?鏡夜と牡丹の関係」
「友人」
「鏡夜は友人を苗字で呼んだりしないタイプだと思っていたけれど?」
「…さぁ、どうだろうな」
「……ケチ」
終
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