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環とハルヒが水族館まで向かったのは良かったが、とうとう事件は起こってしまった。

「乙女?乙女じゃないか…!」

そこに居たのは懐かしいヅカ部の皆様。何で彼女達がここにいるのか。しかも三人でデート中なのだろうか。

「まあまあ!今日は一段とかわいらしいのね!」

「こんな形で偶然出会うなんてやはり僕らは運命…!」

「ねぇ、もう一人の乙女は?いないの?」

あぁ、とうとう邪魔が入ってしまった。どうして環の行く道は良い意味でも悪い意味でも人が集まってしまうのだろうか。

「まてまて!ハルヒは俺とデート中なんだぞ!」

「…デートだと…?笑わせるな!誰がおまえみたいな俗物と」

「そこのお嬢様方」

流石にこの三人を環一人で押さえられるはずもないと皆は飛び出した。

「人の恋路を邪魔する者は馬に蹴られますよ?よければ我々がお相手しましょうか?」

「それとも今日は私を独占しちゃう?」

ハルヒ程でもないが、自分にも興味はあるだろう。ここは二人の為に協力してあげるしかない。

「おっ、おまえら!?いつから…」

皆が居た事に今まで気付かなかった方が不思議だが。環は驚きを隠せないらしい。

「あはは、やっと気付いた」

「ほら、さっさと行け。ここは俺達に任せろ」

「鏡夜…みんな!悪い!」

そうして環とハルヒは走ってどこかへと行ってしまった。

「乙女!」

「「あんたらの相手はこっちなのー☆はいはい、代わりに竜胆ねぇあげるからー」」

「…物扱いしないでくれる?」

光と馨の言葉を聞いて紅緒は気付いてしまった。

「それで?こうなった以上乙女はあの軽薄な部活動から解放されるんだろうな?」

「「ハァ?そんなわけないじゃん。バカじゃない?」」

「馬鹿はどっちだ!いつまで乙女達に性別を偽らせるつもりなんだ…!今までのようにはいかない。放っておけば周囲が気付くのも時間の問題だぞ!一緒にいてそんな事もわからないのか!?どう見ても女の子だろう、彼女は…!」

それは分かっていた。誰もが気付いていた問題。


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