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「駄目だ…!ハルヒとの完璧にして宇宙一パーフェクトな初デートのプランがまるでまとまらん…!」

どうやら環はここ最近忙しいとハルヒが言っていたけれど、それはデートプランを立てていたかららしい。そして環は雑誌を見ながらここはだめ、ここはだめとブツブツ言っている。そんな姿を見て皆は呆れていた。In鳳家の話だ。

「「あの――…ちょっと殿?」」

「映画…は駄目だ!ハルヒは映画よりもポップコーンに夢中になってしまう上――…」

「鏡夜。そのチーズケーキも食べても良い?」

「構わないが、お前、もう4つ目だぞ」

いいじゃん別に…。竜胆は小さく呟いてからフォークを銜えた。確かに自分の気持ちのキャパシティーはオーバー寸前なのだろう。今すぐにでもこの気持ちを声にして鏡夜に抱きつき…いや、それは恥ずかしいけれども。

「「もしかしなくっても殿が忙しそうってハルヒが言ってたのって…」」

「一生の思い出に残るような完璧な初デートをこっそり計画してハルヒを喜ばせるんだろうだ。だからといって何故連日うちに考えに来るのかさっぱりだがな」

「竜胆!女のお前だからこそ頼みたい!ハルヒはどこに行きたいと思うぅぅ!?」

「うっさいわね!今こっちも取り込み中なのよ!一人でやって!」

「わぁぁん!竜胆がひどいよぅぅぅ!」

「そういうわけだ。とりあえずそろそろ殺していいか…?ウザいんだよ、毎日毎日。二人で同じ事繰り返しやがって…」

連日繰り返すそれはいい加減にしてくれと思う。どうしてそこまでして飽きないかが逆に気になる所だ。

「手品…!手品はどうだ…!?デート中ハルヒが退屈しかけたらすかさず手品を披露し盛り上げるという作戦は…」

「「アハハ。錯乱しすぎてアホ言ってる。いっそホントに街中で唐突にやってハルヒにドン引かれりゃいーのに」」

「よし!そうと決まれば鏡夜!至急手品のネタを仕入れてくれ!」

「寝言は寝て言え」

「モリ先輩人体切断マジックの練習台になって下さい!」

「…!?」

「ハニー先輩のこぎり〜!」

「にゃ―――!」

「「バカ殿!早まるなー!一緒に!僕らも一緒にプラン考えてやるから!」

「光…馨…!お前らは天使だ〜!」

「だから、何故会場が俺の部屋なんだ…?」

竜胆はそんな喧騒の中でもフォークを片手にぼんやりと考える。が、うるさくてどうもそうは行かない。竜胆はぬらりと立ち上がった。

「…むしろパフォーマンスと行きましょうよ……ほら、環、そこに立って。フォーク投げてみる。当たったらごめん、許して…?」

「…そ、そもそもこう言うのは頭の上にりんごを乗せてそれを狙うものでは…?竜胆は何を狙っているのだ…」

「…じゃあ、苺。いいじゃん、苺頭に乗せなさいよ」

「お姉ちゃんが錯乱中だよぉぉぉぉ!」

「「竜胆ねぇ!落ち着いて!」」

「離せ〜!光馨〜!私はこいつの頭を一発殴らないと気が納まらないんだぁぁああ!」

こっちは落ち着かなくて仕方ないんだ!環の幸せ脳すら今はイライラして仕方ない!そりゃ私だって初デートとかそういうウキウキしたものを考えたい所だ。なのに考えるのはそこじゃない。いいの?この気持ちを伝えていいの?


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