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「…いい?このまま抱き着いていて鏡夜先輩が邪魔して来たら、竜胆ねぇの勝ちだよ?」

「…光。貴方随分と優しくなったね、嬉しいな…どうしよう、愛娘を嫁に出す気持ちが今理解出来てしまったわ…」

「…何で父親の心境理解出来ちゃってんの…」

だってそうでしょう?いつか光もハルヒちゃん以上に大事な女の子を見つける時を思うと少し寂しくてかなり悲しい。

「光ぅぅぅ!だめ、やっぱりお嫁に行かないで!?」

「だから何で父親の心境!?」

抱きしめあったまま二人は笑っていた。その間に入ったのは鏡夜の手。

「お前等移動するぞ。そろそろあいつらも戻ってくるだろ」

鏡夜の手に遮られて二人は自然と離れたのだが、それを呆然と見ている竜胆と光。

「何か?」

そう言う鏡夜が少し可愛く思えたのは事実。竜胆と光は同じタイミングで笑い出した。

「「あははっは!」」

「…何だ。人の顔見て笑うとは失礼な――…」

「ごめっ、きょーや先輩って結構可愛いと思ってさ…!」

「光。どういう意味だ…?」

以前双子の弟にも似た様な事を言われたが?鏡夜は光の言葉に眉間に皺を寄せた。

「…鏡夜っ…!近い内に、あなたの質問の答え、私が答えてあげてもいいわよっ?」

「竜胆。お前は笑い過ぎだ」

あら、だって貴方も笑ってるじゃない。空を背中にしながら笑う鏡夜はとても輝いて見えた。その笑顔があまりにも綺麗で格好良くて、素敵で。私は一瞬目を奪われた。

「…竜胆?」

鏡夜、貴方って意外と空を背景にするのが似合うわね。私はガラにも無く目を奪われた事が恥ずかしくて困った様に笑ってしまった。




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