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「ともかく!環先輩がお祖母さんの許可が下りるまで会わないって言うなら、お母さんはそれを尊重してこのまま帰るって、理事長はへコんじゃって話にならないし…どうしたら…」

「…拉致るか」

「…いい考えね、光。乗ったわ」

光のひらめきに竜胆も参戦した。そもそもここまで来ると環の頭を一発でも叩いてやりたくなる。

「殿を無理にでも連れ出してさ、会わせちゃえば意外となんとかなりそうじゃん?」

「そっか、本邸に侵入して」

「暴れたら縄で縛ってでも」

「こらこら、バカ4人。須王本邸のセキュリティを何だと思ってる。運よく侵入できた所であっという間に取り押さえられるのが…」

「それでも今会わせなきゃダメです!だってせっかくこんな近くにいるのに――…!」

その言葉に鏡夜は驚き、光邦と崇は頷いた。

「きょーちゃん、僕と崇でタマちゃんを連れ出すよ」

「しかしいくらお二人でも」

「大丈夫、ちょっと考えがあるんだ。でも今からじゃ頑張っても明日ギリギリになっちゃうかもしれないから…」

「…鏡夜。これは出来るか出来ないかじゃないわ。男ならやるかやらないかよ」

竜胆の言葉に鏡夜は小さく溜め息を吐いた。

「橘か。須王邸から成田空港までの最短ルートを調べてくれ。どんな手段でも構わない」

それを聞いてしまえば、やる事は一つ。

「全く…時々環並に無謀だな、お前は。いいか、どんな手段を使ってもいい。どんな手を使っても必ず明日環を空港に連れて行く…!」

それが今の自分達に出来る最良の事。この声を聞いていた人達にも気付かずに。




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