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「ハールちゃんっ!ハルちゃんのクラスは身体検査いつー?」

光邦の言葉に一同の視線がハルヒに集まった。意外にも冷静なハルヒは少し考えて

「…バレますね、さすがに」

新学期早々ホスト部に問題が発生したのです。環の頭の中にはハルヒが普通に女子の格好で学生生活を送るハルヒが居た。可愛らしいハルヒ。それは自分にとって良い事じゃないか、可愛いし、可愛いし、何より可愛い。ハルヒを守ってあげるというイメージトレーニングは何度も済ませた。

「楽しそうだねぇタマちゃん」

「そうかな…僕にはむしろ憐れに見えるけど」

「奇遇ね、光。私にも憐れに見えてつっこむ気力も無くなるわ」

自分とハルヒはラブコメ要員、その他部員はホモホモ要員だと豪語する環に光と馨は事実を突きつける。

「てゆーかさ…」

「わかってんの?殿」

「ハルヒ(ハルちゃん)が女ってバレたらホスト部にはいられなくなるんだよ?」

その言葉に環は固まった。今までそれに気付いていなかったのか…!竜胆は環の鈍感ぶりに笑いがこみ上げてきた。ハルヒは当然可愛いので女の子の格好をしたらモテる。そして環が近づけない。ましてやクラス、学年違うのだから接点すら少ない。そう考えれば環のやる事は一つ。

「それでは明日“ハルちゃんは断じて男の子”作戦はフォーメーションAに決定!」

「…何の会議?」

遅れてきたハルヒは理解が出来ていなかった。

「案ずるなハルヒ!おまえの秘密は俺達が守る!」

「別に秘密にした覚えはありませんが。…そうかバレたらノルマ達成が不可能になりますねぇ。そしたら別の借金返済方法を考えますよ」

ハルヒ本人にやる気はなかったのだが、崇が大トロと口にした途端それに便乗した環は今後ハルヒに大トロを食す機会を邪魔すると宣言した。

「それもどうかと思うのだけれど」

「あの。一つ疑問なんですけど。そもそも竜胆先輩はどうするんですか?竜胆先輩は去年も身体検査受けたんじゃないんですか?」

「「あー竜胆ねぇは特別な事情だヨ」」

「特別?」

「明日になれば分かるわよ、ハルヒちゃんならね」

竜胆は不敵な笑みを浮かべた。




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