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「「だからって別にやめなくてもいいじゃん!」」
「そうだよタマちゃん!僕らみたいに来れる時だけ来れば…」
「中途半端な事はしたくないんだ。…皆を部に誘ったのは俺なのに、本当に勝手で申し訳ないと思ってる。後のことは鏡夜に任せるし、部は皆で続けてくれて構わない」
なんとも自分勝手な言葉。環が誘ったんじゃない。環が本気を見せてくれると言ったんじゃない。これが環の本気なわけ?人を巻き込んでおいて。
「…だけど、ひとつだけ…ハルヒ…。お前はやめていいから」
環の言葉はとても冷たかった。いつものような冗談だとも思えない。女の格好をしろとかそういう言葉は何度も聞いてきたが、やめろとは言ったりはしなかった。何でだろうね。
「え…」
「殿…!?」
「ハルヒは俺が無理矢理引っ張り込んだも同然だからな。鏡夜。ハルヒの借金残高は?」
「あ…ああ…ノルマ1000人に対し通算指名数372人。指名一人につき2、000円と考えて744,000円。オークション他諸利益を加え花瓶の残高から差し引くと現在の残高は4、589、332円だ」
「それは俺が引きうけるよ」
「タマちゃ…!?」
環はまるで誰の声も聞こえていないように立ち上がり、ハルヒの頭を軽く撫でた。
「ハルヒ。今まで付き合ってくれたありがとな。お疲れさん。借金返済完了だよ」
「「殿!」」
「黙って聞いてりゃ何勝手な事ばっか…」
「ごちそうさま。そろそろ予鈴だから先に戻るよ」
環は立ち上がって少し離れてしまった。まるで心の距離の様に離れた。
「タマちゃ…」
「納得いきません!ちゃんと説明して下さい!」
ハルヒが大きな声をあげた。
「花瓶を割ったのは自分の不注意です。環先輩に肩代わりしてもらう理由なんてありません。…大体っ環先輩また本当のこと言ってないでしょう!会長に何を言われたんですか!?話せないならせめてわけを聞かせて下さい!皆のこと信じて何でも打ち明けてくれるんじゃなかったんですか…!」
「…話さないのは、ハルヒには関係のないことだからだよ。今の俺の問題はおまえには一切関係がないし、話して理解してほしいとも思わない。ただそれだけの事だよ」
それだけ言うと環は一人歩き出した。引き止める声も聞かない。ハルヒはと言うとお弁当を片付けて環とは反対方向へ走って行った。ハルヒを追いかける面々と環を追いかける面々はバラバラの方向へ。
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