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「鏡夜、おはよう。環は来てる?」

「おはよう。来てはいるんだが…」

竜胆は視線を環に移した。女性達に囲まれて本邸自慢か。環にとってそこが良い環境であれば良いのだが。

「それと、第三音楽室は補修工事の為に当面ホスト部は活動休止にせざるを得ない」

え、どういう事?そう訊こうとした時声をかけられる。

「「鏡夜先輩!竜胆ねぇ!」」

どうやら光と馨もホスト部の活動休止の噂を聞いてわざわざ二年の階までやってきたらしい。そして環の様子を見て小さな溜め息。少し話し込んだ後にハルヒも駆けて来た。

「鏡夜先輩!竜胆先輩!光に馨も!」

「「おーハルヒ」」

「鏡夜先輩第三音楽室が…」

「ああ。お前の耳にも入ったのか。あれは単なる補修工事だよ」

「へ?」

「春休みに始めたのが終わらなかったらしくてね。鍵も取り替えるそうだから、もうこの鍵は不用だな」

ハルヒはそれを聞いてほっと小さな安堵の息を吐いた。

「そ、…そうだったんですか。なんだ…じゃあ環先輩が部にこれないとか言う話も…」

「いやそれは本当だよ。私用での外出も禁止な上授業が済んだらすぐ帰宅して須王の勉強をしろと言われているそうだ。」

「悪い。知った所で僕ら自体も何もできるわけじゃなかったから、ハルヒまで回さなかったけどさ」

「えっ…」

「殿が本邸に入れたのって別にばーさんに認められたからじゃないらしーんだよね」

何がしたいの。

「そんな…だって…」

「部長が休みで部室が使えない以上しばらく休むしかないだろう」

「あの…環先輩が学校には…」

「「殿ならホラあっち。ずいぶんと本邸ライフを堪能されてる御様子で」」

確かに環は生き生きとしている。こちらの心配も馬鹿みたいに思えるはずだが、今回の竜胆はそうも行かない。

「…もの凄く元気みたいだけど」

「「…だからそう言ったろ?つくづくあの人は心配するだけムダって気が…」」


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