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「ハッピーバースデーハルヒちゃん☆」

結局ハルヒのバースデイプレゼントの勝者は笠野田があげたしいたけ栽培セットだったらしい。環と光は低価格で実用的かつ便利な物と言う事で考えた結果二人共流しそうめんマシーンのプレゼントが被るというミラクルを起こしたのだ。

「わぁ、ありがとうございます。参考書ですか?」

「そうよ。二年になるわけだし、桜蘭のカリキュラムに合った物と、未来の弁護士さんに役立つ参考書ねー☆」

「助かります」

ハルヒが微笑むのを確認してから竜胆は口を開いた。

「…ねぇ、ハルヒちゃんと高坂弁護士ってどんな関係か聞いても良いかしら?以前クリーニング屋でお会いした時初対面の会話ではなかったわよね?」

誘拐された事を思い出させるのは少し酷かもしれないが竜胆は思い出していた。普通に藤岡さんと言う高坂に、何の疑問を持つ事の無かったハルヒ。

「え?えっと…風邪をひいて早退した時に初めてお会いしました。その後すぐに環先輩が来て紹介してくれたんです。理事長の会社の弁護士の一人で、自分に何か参考になるかもしれないと。そうしたら母の大学の後輩だと聞きました」

環の紹介?そもそもどうして環はハルヒの母の大学の後輩だと知っている?わざわざ自己紹介でもしたのか?いや、高坂が須王に入ったのは最近の出来事ではない。と、言う事は何らかの意図があり環にその情報を流し、ハルヒとの接触を図ったとも考えられないだろうか?

「後輩と言っても高坂さんが入学したのは母が卒業された後で。でも、母の事は有名だと言っていました」

「有名人なの?」

「とっても優秀で、在学中に司法試験に受かって、信頼もあつくエリート街道まっしぐらだったけれど、何故か街の小さな事務所に就職して、あげくに女みたいなヒモ男とデキ婚したっていうのが伝説になっていたらしいです」

確かにそれはある意味有名になるかもしれないが。

「それを聞いた以降は自分も熱であまり覚えてないです。何事も経験しておかなきゃなって思ったくらいで…」

「そう。ありがとね」

竜胆はハルヒの頭を優しく撫でてから背を向けて歩き出した。高坂が会長の指示で環を監視。何故かハルヒに近付く。高坂は譲氏に秘密裏で会長と手を組んでいる?何も高坂ではなくても良いはず。そうしたら高坂でも良いのだが。ならハルヒの母の大学の後輩というのは偶然は少し奇妙じゃないだろうか。

「ああっ!まだ情報が足らないわ!」

竜胆は髪をぐしゃりと握った。鏡夜の言う譲氏の黒い噂も気になる。同じ情報を漁る必要はないだろう。鏡夜に話を聞くしかないが、ここ最近忙しくてそれがならない。なんせもう一年は終わる。そう学年が変わってしまう。私達は三年になる。




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