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ハルヒが扉を開けると、そこにはピアノを弾きながらバースデーソングを歌う環、そして横には大トロ。ハルヒは大トロに手を伸ばす。そして口に入れると何かが当たる。
それは環から送られたダイヤの指輪であった。それに喜ぶハルヒは照れながらも環へ近づく。

「そうして2人は真実の愛を…」

「ねーよ酢メシの中にダイヤとかキモくて吐くか、歯ー折れるわ」

「斬新どころか古くさすぎて一周しても笑えないよ。ていうかドン引き?」

「好きな食べ物とロマンチックの欠片を寄せ合わせりゃいいってもんじゃないわ」

「いくらハルヒでもその辺に置いてある大トロをいきなり食べる展開には無理があるんじゃないか?」

「そもそも招待状の時点でタマちゃんってバレて来てくれないかもねえ〜」

「…確実に手書きだろうからな」

皆の言葉は一言一言環に突き刺さって行った。

「なんだよ何か冷たいぞ皆して!つい先日までスランプ中の俺の為にいっしょうけんめい…」

「そーゆーのもう終わってるから」

「殿にはもう一生分の親切使い果たしてしまったから」

「一生分!?」

確かにその通りだった。皆は環を置いて歩き出して行く。

「鏡…」

「あれ程までお膳立てしてやって企画でまさか負けるほどのバカだったとはな…」

「そんなの周知よ」

「僕らもね〜卒業前で色々忙しいんだけどね〜」

「ハニー先輩まで!?」

「あのう…植物園に興味ないなら帰っていいですよ?ただでさえ暑い温室で騒がれるとウザイ通りこして殴りたくなってしまうので…」

大きな声を出す環には更なる追い討ちをハルヒがかけるのでした。環は落ち込むもすぐに復活した。ニュー環は立ち直りも早いらしい。ニュー環にいらん設定ついた――!ハルヒの様子を伺う環を背に皆はそう思った。


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